四国制覇バースデイ旅行 11

6日目 5月9日(日) 中編
最後の国鉄未成線、ごめん・なはり線

6日目中編 乗車列車一覧
乗車駅 発車時刻 下車駅 到着時刻 列車 経由路線 車両形式*両数 備考 写真
甲浦 11:49 奈半利 13:36
(実際の到着時刻)
- 高知東部交通 日野
奈半利 14:04 後免 14:58 快速 4839D 土佐くろしお鉄道 ごめん・なはり線 1035*1 一部区間車掌乗務
後免町 15:51 高知 16:17 快速 4841D 土佐くろしお鉄道 ごめん・なはり線
土讃線
9640*1 くろしお鉄道区間車掌乗務。
JR区間は記憶なし。

バスで阿佐線未成区間を抜ける

雨の海岸に沿ってバスは進む。 高知東部交通の室戸営業所。室戸までの便も多い。

甲浦から奈半利までの阿佐線未成区間はバスが通じている。JRバスではないのだが、阿佐線の予定線とほぼ同じルートだと思う。バスの乗客は予想通り少ない。第2〜といったバス停名が、閑散区間でバス停の名前を考えるのに苦労した様子がうかがえる。

旅行者風の乗客も居たから室戸岬で乗客が入れ替わるかと思ったが、乗降ともになくそのまま通過してしまったのは意外だった。この日は雨だったから岬見学をあきらめた人も多いのだろうか?バスはほとんどのバス停を通過して快適な2車線国道を走り続ける。

室戸では、国道をはずれて住宅街を通る道路に入っていく。途中に営業所があった。その後、室戸高校まで行ったあと、工場の駐車場のような場所で折り返して同じ道を引き返す。

室戸市街をこまめに回ったあとは、再び国道に戻ってまっすぐ奈半利に向かう。国道から脇道に入り、奈半利駅の駅前広場でバスを降りる。バスはこの後安芸まで行く。このあたりの中心地は安芸だろうから納得であるが、甲浦といい奈半利といい中途半端な終着駅である。

鉄道友の会と一緒にごめん・なはり線を楽しむ

売店などローカル線にしてはかなり充実した設備だった奈半利駅。(5月5日撮影) 奈半利から後免方面にのびる高架橋。
安芸で鉄道友の会一行が下車。 後免駅跨線橋から奈半利、高松方面を見る。右側の後免・なはり線は急勾配で高架にあがって急カーブで右に分かれるきつい線形。

奈半利駅は高架下に売店などが並び、食堂などもあるかなりしっかりした駅だった。甲浦よりははるかに街の雰囲気があり、鉄道利用者以外にも人はそれなりに多い。しかし、ホーム1面だけの棒線駅であることに変わりはなかった。

ごめん・なはり線は旧国鉄が地域振興を主目的に建設を計画し、鉄道建設公団が建設を開始した国鉄ローカル新線(鉄建公団AB線)の最後の開業路線。これ以外の路線はすでに開業するか、建設中止となっている。この路線は延長が長く、未成区間も多かったために建設が長引いていたが、ようやく開業した。

程なくして1両の列車が到着。予想に反して非常に多数の乗客が降りてくる。とても全員着席できていたとは思えない。どうやら団体客のようで、一緒になってしまったらゆっくり景色を楽しめなかったところでよかった。と思っていたら、一旦改札を出てすぐに列車に引き返してくる。この鉄道ファンしかやらないであろう行動は何なのだ?と不思議に思い、隣に座った人に聞いてみたら「鉄道友の会」の団体と聞いて納得。どうりで高級カメラ片手に列車を撮影しているわけである。

立ち客多数を乗せて列車は出発。鉄道友の会の一行はこの後安芸の車庫を見学するそうである。当然鉄道側に連絡が行っている訳で、車掌が乗務していたのもそのためだろうと思うが、事前に分かっているのだから増結して欲しかったところである。

安芸ではくろしお鉄道の社員が一行をお出迎え。約30人の友の会一行と車掌さんが下車し、普段の様子に戻った。普通の乗客も多く、決して車内が閑散としているということはない。この列車は快速だから特に利用者は多いのかもしれない。線路は全線高架で、車両の性能も高いようで、かなりの高速でかっとばす。通過駅は1線スルーになっていて、設計段階から快速や特急の運転が考慮されていたことが分かる。

途中から再び車掌さんが乗り込んできた。ドア扱いはせず、切符の販売と整理券方式になれていない乗客のフォローが仕事のよう。乗客の多い区間だけ重点的に乗っているようだ。

列車は後免駅からJRに乗り入れて高知まで行くが、私は後免で下車。後免駅は新しく建て替えられたばかりのようできれいな駅舎であった。

高知市電にのる予定だったが中止

高知市電の後免町電停。線路1本というのは意外だった。 後免町電停。かつての線路がアスファルトに埋まっていた。

後免で降りたのは、高知の路面電車に乗ろうと思っていたから。時間の余裕があまり無くて全線乗るのは厳しい状態だったが、一部でも乗っておこうかと思っていた。

後免から徒歩で後免町にある市電のターミナルに向かったのだが、道路が狭くてしかも雨。車に注意しながら歩かなくてはならずたいへんだった。しかも場所もわかりにくい。まともな案内板はなかったと思う。

市電のターミナルはくろしお鉄道の後免町駅とほぼ同じ場所にあった。かつては何本ものホームがあったと思われる痕跡があるのだが、今は線路1本のみで、簡単な雨よけがあるのみの電停だった。

ホームの脇にはバスターミナルの建物があり、ここで通常は切符の販売もしているようなのだが、休日は窓口は休みであった。1日乗車券を買って乗車する予定だったのだが休みとは聞いていない。車内販売していないのか運転手に聞いてみたが車内販売はなく、高知まで行かないと購入できないとのことで乗る気が失せた。その後1日乗車券を買う予定なのに普通運賃を払って乗る気になどならない。市電に乗る予定は中止である。高知市電も窓口の休日営業か1日券の車内販売くらい考えてもらいたいものである。

高知まで行ってから特急で瀬戸大橋へ

土佐くろしお鉄道9640型車両の内部。背もたれ高すぎ! 後免町駅ホームから後免方面を見る。一旦右に曲がった後、左カーブで正面やや左にある後免駅へと入っていく。

市電に乗る予定を中止したので時間が余ってしまった。とりあえずおみやげでも買おうかと思ってJRで高知まで行くことにした。すぐそばにあるくろしお鉄道の後免町駅からJR直通の列車に乗る。この列車も車掌が乗務していた。今回の旅行で出会ったくろしお鉄道の車掌さんはすべて若い女性。くろしお鉄道の車掌さんははすべて女性なのかもしれない。しかもかわいい子が多い。これだけでこの鉄道が好きになってしまう。これが無くても、建設中止になった公団線を片っ端から引き受けて開業してくれたくろしお鉄道は是非応援したいと思っていた鉄道の1つである。経営は苦しいだろうが今後も頑張っていって欲しいと思う。

乗り込んだ車両は非常に背もたれが高い。よく考えると先ほど乗ってきた車両はJRの車両で、この車両がくろしお鉄道の一般車両である。背もたれの高さはグリーン車以上で、そのおかげで前が全く見えない。豪華さを出したかったのだろうが、ちょっと高すぎではないかと思う。


目次ページへ