2002筑豊廃線跡調査 2

2日目 8月26日(月)
鹿児島本線、筑豊本線(原田線)、後藤寺線、日田彦山線

2日目乗車列車一覧
乗車駅 下車駅 乗車駅
発車時刻
下車駅
到着時刻
列車番号 種別 愛称 経由路線 車両形式*両数 備考 写真
京都 下関 23:27 8:57 9239 快速 ムーンライト山陽 東海道本線 EF65
+14*4(ML山陽)
+(12*2+14*1)(ML高知)
+14*3(ML松山)
岡山までムーンライト高知・松山を併結
ムーンライト山陽の14系はシュプール車
下関 門司 9:08 9:16 857D 普通   山陽本線 キハ48?*2  
門司 小倉 9:19 9:25 1333M 快速   鹿児島本線 ?*4  
城野 小倉 ? ? ? 普通   日豊本線 419?*3or4  
小倉 原田 14:18 15:48 4345M 快速   鹿児島本線 813*6  
原田 桂川 15:52 16:19 6628D 普通   筑豊本線 キハ125*1 ワンマン
桂川 新飯塚 16:30 16:39 4648H 快速   筑豊本線 813*3+817*2  
新飯塚 田川後藤寺 16:42 17:03 1556D 普通   後藤寺線 キハ40*1 ワンマン
田川後藤寺 田川伊田 17:43 17:47 964D 普通   日田彦山線 キハ47*2 ワンマン
田川伊田 東小倉 18:18 19:08 966D 普通 日田彦山線 キハ47*2 ワンマン
列車体系のややこしい関門海峡

ムーンライト山陽は終着駅下関近くでは既に降りてしまった人が多くかなり空いていた。下関到着が9時というのは少々遅すぎると思うのだが、ムーンライト九州との棲み分けを図る以上やむを得ないところだろう。

下関から小倉までの間は、JR時刻表では列車の掲載がいろいろな線区に分かれていて非常に見づらい。しかも途中の門司で乗り換えとなる列車が多いので更にややこしくなっている。

下関から門司までは山陰本線から来た気動車で移動し、門司からは門司港発の電車で小倉まで移動。どちらの列車も編成が比較的短いこともあって混んでいたが、短距離なので特に気にならなかった。

まずは日田線の廃線部分を徒歩調査

小倉で朝食を摂ったあと、東小倉から城野の先までの日田線廃線跡の調査に入る。日田線とは現在の日田彦山線の前身なのだが、日田彦山線とは違うルートを通っていた場所があり、その1つがこの小倉地区なのである。小倉鉄道という私鉄を国鉄が買収した路線なので、起点が東小倉という鹿児島本線に旅客ホームのない駅になっていて非常に不便だったために線路付け替えで廃止となってしまった。

現在は小倉の市街地に取り込まれている区間ばかりなのでレンタカーでの調査はしづらいと思い、徒歩であらかじめ調査しておくことにしたのである。なお、調査結果については廃線跡調査のページを見てもらいたい。

日田線の廃線跡調査を終えて城野駅にたどり着いた時間ははっきりとは覚えていないのだが1時過ぎだったと思う。10時前に小倉を出たのだから3時間以上かかったことになる。2時間30分あれば終わるだろうと考えてこのあとの予定を考えていたのだが、予定より時間がかかったことでこのあとの予定が狂ってしまった。

今回是非乗っておきたい路線として筑豊本線の桂川〜原田間があり、桂川14時38分の列車に乗ろうと思っていたのだが、これに乗るには城野12時23分の日田彦山線の列車に乗らなくてはならなかったのである。1時過ぎに城野についたのでは到底間に合わない。

予定を立て直すため持参の時刻表をめくるが、いまいち良い案が浮かばない。というのも、前記の桂川〜原田間の他に直方以北や後藤寺線にも乗りたいと思っていたからである。日田彦山線を南下してもうまくいかないようだったので取りあえず小倉に移動して更に考える。

発展から取り残された原田線
原田駅に1両ぽつんと止まっていた原田線の列車。原田線ホームだけかさ上げがされていない。 途中駅は全て行き違い設備撤去済みだった。筑前山家にて。
篠栗線分岐駅である桂川。電化ですっかり生まれ変わった印象。 桂川駅駅舎。電化を機に建てかえられたようだ。

結局ベストな案は浮かばなかったが、取りあえず鹿児島本線で原田まで行くとちょうど原田発15:52の筑豊本線列車に接続することが分かったので、取りあえず快速で原田まで移動。小倉発車時点で70%くらいの乗車率だったが、博多に近づくにつれて乗客が増え、博多前後では立ち客も大勢出ている状態だった。

原田は時刻表では緑の窓口もない小さな駅として記載されている。快速停車駅ではあるが、実際に下車した乗客も僅かだった。駅周辺も町中という感じではなく、筑豊本線の乗換駅でなければ快速も通過していることだろう。

筑豊本線は若松〜原田間の路線だが、今では若松〜折尾の若松線、折尾〜桂川の福北ゆたか線、桂川〜原田の原田線その原田線に分けられ、福北ゆたか線が電化されたこともあって列車体系もほぼ完全に分かれている。福北ゆたか線は博多直通の郊外路線として特急まで復活するなど炭鉱全盛時代の賑わいを取り戻しつつある感じだが、両端部分は発展から取り残されてしまった。特に原田線は列車本数も少なく今後が心配である。その原田線のディーゼルカーは原田駅の行き止まり式専用ホームに止まっていた。当然ワンマンの単行列車である。

原田駅を発車した列車は路盤がやや草むしている単線の線路をゆっくりと走る。筑豊本線は平坦地を走っているイメージだったがこの区間は山越えがあり、勾配も以外にあったのが印象的だった。駅間距離もかなり長い。原田線の中間地点である筑前内野は少し前まで行き違い設備が残っていたようで反対側のホームにもワンマン用のミラーがあったが、今では行き違いは出来なくなっていた。他の駅はもっと前に行き違い不可になっていたようで、原田線で行き違いの出来る駅は1つもなかった。ただ、閉塞は6つくらいに区切ってあったので続行運転なら出来そうである。

途中工事徐行区間があったのだが、その徐行解除標識に8両用のものがあったのが目にとまった。旅客列車は普通列車しかないから全て単行だと思うので、貨物列車がまだ走っているということだろうか。もし走っているなら見てみたい気がする。

原田から30分ほどで桂川に到着。篠栗線分岐駅であるが、筑豊本線飯塚方面と篠栗線は福北ゆたか線として直通運転されているので、原田線の分岐駅と言った方がしっくり来るだろう。以前通ったときは地形上の理由で接続駅になっただけの寂れた小駅という印象だったが、今回降りてみると駅舎は新しく、駅前も整備されたようで電化によってすっかり生まれ変わった様子がうかがえた。

桂川で福北ゆたか線の電車に乗り換えて新飯塚まで移動。この区間はまだ非電化だったときに乗ったことがあったが、電車になってスピードが上がり、以前と全く違う感じになっている印象だった。

炭鉱路線の影が残る後藤寺線

新飯塚で後藤寺線の気動車に乗り換え。乗り継ぎがうまくできていて駅を見学する時間がないのが残念だった。後藤寺線は筑豊本線と日田彦山線を結ぶ連絡線の役割を果たしていて、実際同じ列車から乗り継いだ人はかなり多かったし、後藤寺で日田彦山線に乗り換える人も多かった。以前は伊田線(現平成筑豊鉄道)、上山田線(廃止)なども同じく連絡線として使えたのだが、今ではJR線として残るのは後藤寺線だけになってしまった。船尾駅はセメント工場に挟まれた場所にあり、広い貨物側線跡が残っていたのが印象的だった。この路線もかつては炭鉱路線として栄えた路線であるが、今は細々と旅客輸送に徹しているのが少し寂しげである。

後藤寺、日田で途中下車しつつ小倉へ
田川後藤寺駅後藤寺線ホームから伊田、飯塚方向を見る。この駅は後藤寺線、金田線、日田彦山線の3線が出ていく大きな駅である。 田川後藤寺駅駅舎。最近建てかえられたようだ。
田川後藤寺駅構内を見下ろす。炭鉱が廃れた現在でも拠点駅の風格を残している。 田川伊田駅を出て行く小倉方面行き列車。
田川伊田駅構内。中線跡がかつての繁栄を偲ばせる。 田川伊田駅駅舎。この駅は昔のままのようだが、かなり立派な駅舎である。

田川後藤寺で日田彦山線の小倉方面行きに乗り換える。乗り換え時間は8分ほどあるはずだったので今乗ってきた列車の写真などを撮っていたら、隣のホームから列車が出発していく。どうやらその列車が乗る予定だった列車のようで、乗り遅れてしまった。どうやら列車の到着が5分近く遅れていたようで、全く気付いていなかったため失態を犯してしまった。仕方がないので後藤寺の町を歩こうと思ったが、大して面白そうな場所もなさそうだったので駅構内を乗り越す陸橋に上ったりしただけで駅に引き返す。駅舎は新しかったが駅前広場や駅前の通りなどが狭く、昔の様子を色濃く残している感じだった。

予定より1本後になってしまった日田彦山線の列車に乗り込む。このあと平成筑豊鉄道の田川線に乗ってみようかと思っていたのだが、予定より遅れたこともあって日のあるうちに行橋に抜けることが難しそうである。それでも取りあえず田川伊田で降りる。日差しは夕方の赤い日差しになっている。仕方がないのでこのまま次の列車で日豊本線に抜けることにした。日田彦山線の城野〜一本松もまだ乗ったことのない区間なので乗るなら日のある内に乗りたい。田川伊田で降りるんじゃなかったかなと思いながら何とか城野まで明るい内に到着することを祈る。途中採銅所などという他に駅名候補はなかったのかと思う駅を経て列車は進む。城野の1つ手前の石田で交換待ち、ここでほとんど日が暮れてしまった。でも、僅か1駅なのでここは城野まで日のある内に乗り通したことにしてしまうことに決定。

この日は小倉に下宿している友達の家に泊めてもらうため、友達の家の最寄り駅である東小倉で下車。


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