東北三連休紀行 4

4日目 3月31日(日)、5日目 4月1日(月)
東北本線、常磐線、成田エクスプレス

4日目乗車列車一覧
乗車駅 下車駅 乗車駅
発車時刻
下車駅
到着時刻
列車番号 種別 愛称 経由路線 車両形式*両数 備考 写真
野辺地 三沢 10:42 11:09 570M 普通   東北本線 701*2  
三沢 盛岡 11:44 13:01 1012M 特急 スーパーはつかり12号 東北本線 E751*6  
盛岡 仙台 13:15 14:35 46B 特急 Maxやまびこ46号 東北新幹線 E4*16   なし
仙台 上野 15:22 19:33 50M 特急 スーパーひたち50号 常磐線 651*7
(+651*4)
いわきから11両
上野 東京 19:43 19:48 208B 特急 やまびこ208号 東北新幹線 200*12  
東京 成田空港 20:03 21:13 2045M 特急 成田エクスプレス45号 総武本線
成田線
253*6  
成田空港 東京 21:43 22:36 2046M 特急 成田エクスプレス46号 成田線
総武本線
253*6 上記列車の折り返し
東京 品川 ? ? ? 普通   京浜東北線 ? 時刻を控えてないため列車特定不能 なし
品川 名古屋 23:55 5:19 9375M 快速   東海道本線 165*9 臨時大垣夜行 なし

夜明けと同時に廃線跡調査再開

大畑線陸奥関根駅ホームと路盤跡。 大畑駅構内。現役時代そのままと思われる。
二枚橋地区の国道脇に残る大間鉄道のアーチ橋。 下風呂地区の集落裏に残っていた連続アーチ橋。

冬季閉鎖中の道の駅わきのさわで車中泊を決めたが、どうにも寝付けない。時々車が通るのがやけに気になるし、静かなのは静かでまたなぜか寝付けない。朝からまた運転をしないといけないので寝不足は困るのだがどうしても寝付けなかった。そうこうしているうちに3時になってしまったので、もう寝るのをあきらめて廃線跡調査の再開場所まで移動することにする。

廃線跡調査の再開場所である大畑線沿線に到着したのは4時くらい。まだ夜が明けるまでに暫く時間がありそうだったので車中で仮眠しようとしたが、やっぱり寝付けない。夜が白み始めてきたので早速調査を開始することにした。

この日の調査は樺山駅から開始。林に囲まれた駅で発見するのにちょっと苦労した。大畑線は多くの区間が林に囲まれた場所に線路が敷かれていた。これは強風、積雪地帯という地形的な条件からの物だろうが、そのせいですぐ側を走っていたのに線路跡が道路からほとんど見えないのは残念だった。

終着駅だった大畑駅は駅舎やホーム、車庫、レール等がそのまま残っていた。車庫の中には車両も保存されている雰囲気だった。ただほったらかしにしてあるのではなく、整備が行われていてイベント等も行われているようで、これからもずっと保存していってもらいたいと思う。

大畑からは大間崎まで線路を延ばす計画があり、実際途中まで工事が行われたので未成線跡としてその痕跡が残っていることを知っていたので、続けてこの大間鉄道未成線調査に入る。大畑地区では痕跡は消滅しかかっていたが、少し走るとコンクリート橋などが現れ、まだまだ多くの痕跡を残していた。

最後は時間が無くなってしまいかなり焦って調査したため、見逃した部分も多いのだが、レンタカーの返却時間が迫ってきたので急いで野辺地まで移動する。なぜ下北で返さないかというと、前日の内に調査が終了したらこの日は野辺地から出ていた南武縦貫鉄道跡を見てこようと思ったからだが、とてもそんな時間はなかった。やはり欲張りはいけない。

計画では野辺地9時10分発の「スーパーはつかり8号」に乗りたかったし、それが無理でも10時18分の「はつかり10号」には乗らないとその後の計画がうまくいかなくなる状態だったのだが、最初順調に流れていた道路も野辺地近くになると混雑してきて流れが悪くなり、野辺地町内の道が曲がりくねっていて分かりづらい上に目を付けていたガソリンスタンドが休みだったりして時間がかかり、野辺地に着いたときにはちょうど「はつかり10号」がホームに入ってくるところだった。返却手続きがあるのでとてもこの列車に乗ることは出来ず、仕方がないので計画の練り直しをすることになってしまった。

第3セクター転換の決まっている八戸〜盛岡

乗車したE751系「スーパーはつかり」。盛岡駅にて。

次の「はつかり」は速達タイプのため野辺地に止まらない。仕方がないので普通列車で三沢まで行ってから乗ることにする。しかし指定券は売り切れとのこと。指定席売り切れの列車に途中駅から乗っても自由席に空きがあるかは微妙なところだと思ったが、これ以上遅い列車にしてしまうと貴重な時間がどんどん過ぎていってしまうのでとりあえず三沢まで行って並んでみることにする。

三沢までの普通列車はロングシートの701系。新車だけあって車内はきれいだったが、混雑するとは思えないこんな路線にまでロングシート車両を導入するのは私は止めた方がよいと思う。ロングシートでは景色も見にくく、本なども見づらいし、乗っていて疲れる。

三沢で「スーパーはつかり」の自由席に並ぶ。もし座れそうになかったら次の列車にするか、青森まで戻ろうと考えていたが、何とか座れそうだったので乗車。窓側席は無理だと思っていたが、運良く下車客があったようで窓側席が1席だけ空いていた。かなりラッキーである。

これで盛岡まで充分に景色を楽しむことが出来る。と思ったのだが、八戸に着く頃には雨が降り出し、窓についた水滴などで外がよく見えなくなってしまった。八戸は今年(2002年)秋に東北新幹線が延長開業する。ホームや車両基地等はもう完成しているようだった。

新幹線延長開業にともなって東北本線の盛岡〜八戸間は第3セクターのIGRいわて銀河鉄道(盛岡〜目時)と青い森鉄道(目時〜八戸)に経営が移管される。よってこの区間をJRとして乗車するのはおそらくこれが最後となるだろう。今回はるばる東北までやってきたのもJRのうちにこの区間に乗っておくためである。

あいにくの雨だった上、車内は八戸からは立ち客も多く出ていたのであまり車窓を楽しめなかったのは残念だったが、意外に山の中を走っている感じだった。

スーパーひたちで常磐線を走破

盛岡ではほとんどの人は接続する「やまびこ14号」に乗り継ぐようで急ぎ足で列車を降りていった。私は指定券を取っていなかったのでこの列車にのるのはやめて、1本後のMAXやまびこで仙台に向かう。

当初の計画では福島まで行って山形新幹線に乗り継ぐことにしていたのだが、レンタカーの返却の遅れでそれが不可能となってしまったので、仙台から常磐線の乗り潰しをして上野に向かうことにした。

下車した仙台駅は人であふれかえっていた。東京駅のラッシュ並みかも知れない。なぜこんなに混んでいたのだろう。緑の窓口も長蛇の列だったが、指定をとるため列に並ぶ。常磐線を全線走破するひたち号はわずかなので、おそらく窓側席が簡単に取れるだろうと思っていたのだが、取れた切符は通路側席だった。こんなことなら盛岡で指定をとってから新幹線に乗るべきだった。

「スーパーひたち50号」は7両の長編成だったが、座席はかなり埋まっていた。始発駅からの乗車率は80%といったところだろうか。こんなに混むのならもっと本数を増やして欲しいものである。仙台発のひたちが1日4本しかないが、この乗車率を見ればもっと増やすべきなのは明らかだと思う。仙台からいわきあたりに帰る人の利用も意外に多いようだ。

最初東北本線を走り、岩沼から常磐線に入る。ずっと平野部を走るため線形はかなり良いが、単線区間が混じるので東北本線を補元する裏ルートという感じになってしまっているのは不遇だろうと思う。

途中駅では乗車、降車共に同程度有り、だんだん乗客が入れ替わっていく。仙台から上野まで行くなら新幹線を利用するのが当たり前だから通しの乗車客などほとんどいないはずで、途中で乗客が入れ替わるのは当たり前といえば当たり前である。

いわきで4両増結して11両編成になる。いよいよ東京都の流動が盛んな地域に入ってきたという感じである。いわきで乗車した客はほとんどが増結車に乗ったためか私の乗っている車両の乗車率に変動はなかったが、この後停車する駅ごとにだんだん乗客が増えてくる。そして、最後の停車駅である水戸を出たときには満席となっていた。

水戸を出ると終点上野まで約1時間ノンストップ運転となる。土浦などは止まらないのが不思議にもなるが、どうやら東京近くの乗客はフレッシュひたちに分離するためのようだ。停車駅を調節することで長距離列車と近距離列車を分けるのはなかなか良いダイヤ設定だと思う。

ちょっと蛇足になるが、スーパーひたちの車両は651系、フレッシュひたちはスーパーひたちよりも新型のE653系が使われている。E653系は編成ごとに色が違うらしく、なかなか面白い列車なのだが、残念ながらいわきまでの運用のようだ。これはE653系は近距離特急用として加速に重点を置いた作りになっているからのようだ。設計最高速度も651系が160Kmなのに対してE653系は140Kmらしい。651系の最高速度はほくほく線運用を考えてのことだろうから、是非実現して欲しいと思う。ちなみに今のところどちらの車両も最高速度130Kmでの運行のはずである。

上野近くではホームにいっぱいのサラリーマンを見ながら駅を通過。特急列車から日常風景を見るとなんだか優越感がして良い感じである。

成田エクスプレスで成田空港往復

乗車した200系非ニューリアル車。この車両が見られなくなる日も近い?東京駅にて。
成田空港駅に到着した成田エクスプレス。

上野に着いた後、成田エクスプレスに乗るために東京に移動しなければならない。山手線か京浜東北線を利用するのが当たり前だろうがちょうど帰宅ラッシュの時間帯でラッシュの列車を利用するのは憂鬱だと思った(実は日曜でラッシュはなかったのだが気付かなかった)が、ここでふとひらめいた。せっかくの3連休切符は有効利用しないと行けない、地下の新幹線ホームに行き東京まで新幹線で移動。ホームまでの移動や列車待ちの時間を考えると山手線より時間がかかるがラッシュ時でも快適に移動できた。乗車した車両は200系未ニューリアル編成。車内は国鉄臭さが漂っていたが、消えゆく車両に乗れたのはある意味ラッキーだった。

東京から成田エクスプレスに乗り込む。これは大垣夜行までの時間つぶしも兼ねてのことである。指定された席にはすでに先客がいたが、どうやらみんな適当な席に座っている様子。私も空いていた席に座る。この列車の座席は驚いたことに2人ずつ向かい合う形のボックスシート。この配置はグループにはよいがそれ以外ではかなり快適性に劣る。近郊列車やローカル線では今でもこのようなシート配置の列車がかなりあるが、特急列車では他にないだろう。特急列車では回転クロスシートが当たり前である。しかし、間に大きなテーブルがあるなど、快適性は考えられている。グループ客が多いためこのような配置になったのか、この方が大きな荷物が置きやすいということなのか。いろいろ考えた末にあえてこの配置にしたことは分かるが、私個人としてはこの配置はかなり居心地が悪く、特急失格だと思った。やはりボックス席は一部にとどめておくべきだったと思う。

途中いくつかの駅に止まったが乗車してくる客はほとんどいなかった。外は真っ暗闇で何も見えないのでやることがない、近距離の特急といっても空港まで1時間以上かかり、成田空港の遠さを実感できた。

終点の空港第1ターミナル?まで行って下車。当然他の乗客はすぐに空港ゲート内へと入っていったが、飛行機に乗るわけでもないのに中に入れるのか分からなかったし、セキュリティーチェックがあるようだったので面倒なことになるのはいやだったのでそのままホームに戻る。ムーンライトながらの空席を調べてもらうために緑の窓口に行きたかったが、窓口も空港内にあるようだったのであきらめる。

帰りの列車は特急の最終列車となる。最終列車なのだし、来たときと同じように空いているだろうと思いこんでいたのだが、どうやらこの日は天候不良などで飛行機が遅れていたらしく、満席どころか立ち客もかなり出る混雑ぶりになってしまった。この列車は全席指定だが、指定席が満席の時に限って立席特急券で利用できるのだが、まさかその場面に出くわしてしまうとは思わなかった。当然見ず知らずの人と同じボックスとなる訳で、かなり居心地が悪かった。

実はこのあと、「アルプス」に乗って信濃大町まで行き、18切符1日分を使って大糸線を乗り潰してこようと計画していた。しかし、調べてみるとJR西日本区間の接続が劣悪すぎる。糸魚川に出て直江津周りで名古屋に帰ろうと思ったのだが、名古屋着に夕方までに帰れない。「アルプス」で長野に行くか大垣夜行で直名古屋に帰るかぎりぎりまで悩んでいた。しかし、「ムーンライトながら」の指定はとっていなかったので、名古屋に直接帰るなら臨時大垣夜行を使わないと行けない。

臨時大垣夜行で帰宅

成田エクスプレスの指定券は新宿まで買ってあったが、臨時大垣夜行で名古屋に帰ることにして東京で下車。品川まで京浜東北線で移動する。この日は日曜だったので、金曜の時と違ってラッシュはほとんど無く、並んでいれば座れる程度の混雑でしかなかった。品川駅についたのは23時くらいだったが、すでに乗車口に何人も並んでいる。並べばほぼ間違いなく席は取れるが、この様子だと出発時には満席になることが予想されたので、やっぱり「アルプス」にしようかとの考えが頭をよぎる。しかし、「アルプス」の座席番号も通路側席で、こちらも混雑していることは間違いなかったのでやっぱり名古屋に帰ろうと決心。列に並ぶ。本当は指定席をキャンセルすべきだったのだが、悩んでいる内に23時(指定席予約システムの終了時間)を過ぎてしまってキャンセルできなかった。

臨時大垣夜行は予想通り満席に近かったが、席を確保することは出来た。疲れているはずなのだがなぜか眠れなかった。最近夜行列車で眠れなくなっている気がする。疲れていないはずはないのだが、困った物である。結局あまり眠れないまま名古屋に到着。18切符1日分をこの列車だけに使うことになってしまうが、これ以上どこか行く気力がなかったのでそのまま帰宅。ちょうど地下鉄の始発列車に乗り告げる時刻だった。


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