東北三連休紀行 2

2日目 3月29日(金)
中央本線、篠ノ井線、長野新幹線、東北新幹線、釜石線、山田線、岩泉線等

2日目乗車列車一覧
乗車駅 下車駅 乗車駅
発車時刻
下車駅
到着時刻
列車番号 種別 愛称 経由路線 車両形式*両数 備考 写真
立川 松本 0:19 4:31 401M 急行 アルプス 中央本線
篠ノ井線
183*9  
松本 長野 4:47 5:45 4801M 急行 ちくま 篠ノ井線
信越本線
383*6  
長野 東京 6:00 7:40 500E 特急 あさま500号 長野新幹線 E2*8  
東京 盛岡 8:12 10:47 3005B 特急 やまびこ5号 東北新幹線 E2*8
(+E3*5)
こまち5号併結
盛岡 釜石 10:53 13:08 603D 急行 陸中3号 東北本線
釜石線
キハ110*3  
釜石 宮古 13:15 14:36 1637D 普通   山田線 キハ100*2  
宮古 岩泉 14:46 16:23 685D 普通   山田線
岩泉線
キハ52*1 国鉄色復元車(キハ52-145)
岩泉 茂市 17:20 18:12 686D 普通   岩泉線 キハ52*1 上記車両の折り返し
茂市 盛岡 18:31 20:41 649D 普通   山田線 キハ58-1500*2  

夜行急行乗り継ぎ

立川から「アルプス」に乗車。3連休切符で「アルプス」、「ちくま」の乗り継ぎという、同じことを考えつく人がかなりいるのではないかと警戒していたが、さすがに立川まで来てまで3連休切符を初日から使い回す人は少ないのか、それともそもそもこの乗り継ぎがあまり知られていないのか、車内はがらがらだった。グループも全くいなかったので静かな車内でゆっくり眠ることが出来た。ただし、減光はグリーン車のみだったし、車内放送もあり少し鬱陶しかった。

未明の松本で「ちくま」に乗り継ぐ。同じように乗り継ぐ人が10人くらいいたと思う。「ちくま」は松本に長時間停車していて、明らかに乗り継ぎを考慮していると思われるが、外はまだ真っ暗でまだ眠い。もう少し時間が遅いとありがたいのだが・・・。というかそもそも夜行を途中で乗り継ぐなどやることではない気もする。この日は旅行初日だったから寝過ごすことはなかったけど、前日も夜行だったりして疲れているときなどは寝過ごしてしまいそうである。

ちくまは混雑していると言うことは全くなかったが、思ったよりは乗っていた。松本以前からの利用者は1両15人といったところか。学生の利用が多い感じだったが、みんな普通券で乗っているのだろうか?名古屋方面からの割引切符など聞いたことがないのだが。長野までの1時間は再び寝て過ごす。ちくまも減光なしで車内放送有り。特に自動放送がうるさかった。

新幹線は大盛況

長野駅新幹線ホーム先端。将来の長編成化を見越したホームになっていた。
盛岡駅での「こまち」解放。あっという間に作業は終了した。

長野で長野新幹線に乗り換える。列車は8両編成だが、ホームは12両編成くらいまでは対応できる長さになっていた。ここから新幹線で一気に盛岡まで移動である。始発の新幹線になるのだが、前日に見てもらったところすでに指定は満席だった。まあ始発なので余裕で座ることは出来たが、この状況なら続行の臨時便を定期化しても良いのではないかと思う。

長野新幹線は走っているルートを想像するとかなり景色が良さそうに思えたので少し期待していたのだが、防音フェンスに阻まれてあまり景色を見ることが出来なかった。残念である。まだ眠かったのでうとうととしながら東京まで過ごす。

東京でやまびこに乗り換え。速達タイプの列車だったのでこの列車も満席。前日に指定をとったのだが、窓側席は取れなかった。始発から乗るので自由席の窓側席が取れるとは思ったが、満席の列車で指定された座席に乗らないのも迷惑だと思い、おとなしく指定された席に座る。

東京発車時点では隣の席は空席だったので、隣が来る前に買い込んだ朝食を食べる。朝食の弁当は東京駅のホームで買ったのだが、品揃えも多かったし味もかなりおいしかった。地方では食事に苦労することが多いが、さすが新幹線と思えた。

大宮で多くの人が乗ってきてここでほぼ満席となった。ここからは大してすることもなく、席でおとなしく過ごす。仙台で3分の1くらいの人が降りるが、盛岡までの利用も意外に多かった。

盛岡で急行「陸中」に乗り換え。乗り換え時間は6分。この時間なら乗り換えが考慮されている物と思えたが、ホームが工事中だったりして乗り換えにとまどい、危うく乗り遅れるところだった。出発直前に駆け込み乗車して何とか間に合ったが、乗り換え口から遠いホームの先端の方に止まるのはやめて欲しかった。「こまち」の解放、発車を見届けてから移動するのが間違っているのだが・・・。

急行「陸中」

「陸中」車内の様子。デッキとの仕切りが簡易的な所などが特急との違いを感じさせる。 釜石線内での1枚。鱒沢駅通過。
桝沢のすぐ先。川と道路が平行するのどかな田園風景。 ループを下ったところにある陸中大橋駅。矢印部分に走ってきた線路が見えている。

陸中は予想通りがらがら。3両編成だったが、特に指定席は最初3人くらいの乗車だった。この列車は花巻まで東北本線を走り、花巻から釜石線に入る。花巻でスイッチバックするので座席は最初から後ろ向きにセットされていた。車両は新型のキハ110型。見た目ローカル用のキハ100とあまり変わらない気がしたが、乗ってみるとさすがに急行用車両だけあって座席は乗り心地がよいし車内も静かだった。

東北本線を暫く快走(ある意味回送?)したあと、釜石線にはいる。 新花巻でかなりの乗車があり、ここで自由席車2両は満席近い乗車となる。指定席も4分の1くらいの乗車となった。新幹線からの乗り換えがそこそこあるとは思っていたが、利用者のほとんどが新花巻で乗って来るというのはちょっと意外だった。

途中から車窓はだんだん山の中という感じになってきたが、それほど急峻な地形ではない。谷の間のような場所をしばらく走ると突然街が開け、遠野駅に着いた。ここでまとまった下車客があり、沿線の中枢駅であると分かる。遠野を出るとそれまでよりも遙かに険しい地形となってくる。人家の全くないところをいくつものトンネルを抜けながら進む。その山を越えたところが陸中大橋だが、標高差がものすごくあるため、180度のループ線で麓に降りる。釜石線の見所である。ループの開始地点はよく分からなかったが、駅からはかなり高いところに今まで通ってきた線路が見えた。

三陸海岸沿いに宮古へ

浪板海岸〜岩手船越。町並みの向こうに海が見え、その先は山。

終点釜石で山田線の普通列車に乗り換え。「陸中」も盛岡行きの1本だけが宮古始発なのだが、この区間はそれ以外の列車は全て普通列車である。なぜ片道1本だけ直通の設定があるのかよく分からない。本当はその直通急行を利用したいところだが、行程が合わなかったので今回は普通列車で移動。車内は地元の人で占められていた。海岸沿いではあるがリアス式海岸なので山を上り下りする感じで険しい地形を進むことになる。海も途中ちらっと見えたりする。

国鉄色のディーゼルカーで岩泉線を往復

浅内駅。ホームと駅舎が凄く離れていた。 岩泉駅の駅前風景。超ローカル線の終着駅にしてはかなり立派。
岩泉駅駅舎。かなり大きな駅舎で、列車が1日3往復とは思えない。 岩泉駅ホームから車止め方向を見る。かなり先までレールが延びている。
岩泉駅に停車中のディーゼルカー。 ホームの先に伸びるレールをたどっていくと、体育館の手前で草に埋もれた車止めを発見。
岩泉駅にあった付近の案内図。この地図を見ると、小本まで延ばす予定だったことが想像できる。

宮古で岩泉行きの普通列車に乗り換える。今回はこの列車に乗るためにわざわざ宮古まで来たのである。しかも、ちょうど私の行った期間は国鉄色に復元された気動車での運転を行っていることを知り、わざわざその列車に当たるように予定を組んできたのである。乗ったのはキハ52-145だったが、外装だけでなく内装も国鉄風に改造が加えられていて、デッキが復元?されていた。お陰でデッキと運転室の間に個室のような部分が出来るなど、シート配置が少々おかしなことになっていて、乗る方としてはあまり利用しやすい車両ではなかったが。

茂市で暫く停車した後、岩泉線にはいる。岩泉線は全線を走る列車は1日僅か3往復しかないという超ローカル線。いつ廃止になってもおかしくない状況である。駅数の割に距離は長くて、(西日本のように保守をさぼって徐行箇所満載というわけではないのに)所要時間は1時間近くかかる。

沿線は集落といえるような場所は駅周辺だけで、ほとんど山の中を走る感じだった。結構トンネルが多く、大変な工事だったことが想像できる。それなのに有効に使われないで廃線になるのではないかと思うと虚しい感じがする。乗客は意外に?鉄道ファンより地元の人が多く、途中駅での下車も多かった。

浅内駅はかつて終着駅だったことがあり、その名残なのかホームと駅舎の間がかなり離れていて、かつて何本も側線があったことが想像できた。途中下車したい雰囲気の駅だが、列車本数が少なすぎて不可能である。

終着駅の岩泉は、ホーム1面1線の駅。これだけだとかなり小規模の駅だと思えるのだが、2階建ての立派な駅舎が建ち、駅前広場は中規模都市にも匹敵する作りで、列車本数からは想像できないすごさであった。地元の廃止反対への意気込みが伝わってきた。しかし、駅舎内はだだっ広いだけという感じだった。

線路はホームを通り越して藪の中へと消えていて、一見終着駅という感じではない。線路をたどっていくと、藪を通り越した町民?体育館の手前で車止めとなっていた。これは、岩泉線が三陸海岸の小本までの路線として計画されていたからで、元々岩泉を終着駅にする予定はなかったからである。駅前にあった地図を見ると、このまま川沿いに真っ直ぐ伸ばせば小本に到達することが分かった。未成部分の工事は全く行われていないようである。

岩泉の集落は線路と平行して流れている小本川の対岸に広がっている。駅前は閑散としていて、食事をしたかったのだが開いている食堂は見あたらなかった。対岸の集落にも行ってみたが、こちらも近くには食品店等は見あたらなかった。

約1時間後、そのまま来た列車で折り返す。ホテルの予約をしていなかったのでiモードで予約しようとしたが、駅周辺で辛うじて通じるだけで、あとは圏外ばかりなのには参った。すぐに辺りは暗くなってきたので、後は眠って過ごす。

茂市で盛岡行きの普通列車に乗り換え。初めて通る路線なので景色を楽しみたかったが、この時間帯ではもう不可能。ディーゼル音からかなり勾配が多そうだと思えるだけで、窓の外は何も見えない。

途中区界駅だったかで、行き違いの長時間停車があった。外は酷い雨になっていたが、駅前にコンビニがあるのが目に入ったので、びしょぬれになるのを覚悟でコンビニに走る。まだかなり雪が残っていて、駅名の通り山深い駅という感じだった。夕食を買い込んで列車に戻るとやはりびしょぬれになってしまった。どうせ駅からホテルまで歩かないといけないのだから、ここで傘を買っておくべきだったと後で気付いた。

時刻表を良く見るとこの列車は盛岡行き最終列車であることに気付く。それどころかこの区間は1日僅か4往復しかない。ある意味岩泉線と似たような物である。平行するバスは盛況のようだからもっと快速を増やして利用しやすくすべきである。

この日は盛岡のホテルに宿泊。


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