2001北海道 9

10日目 8月31日(金)
室蘭本線(室蘭〜東室蘭)、石勝線夕張支線

10日目 乗車列車一覧
乗車駅 下車駅 乗車駅
発車時刻
下車駅
到着時刻
列車番号 種別 愛称 経由路線 車両形式*両数 備考 写真
輪西 東室蘭 8:39 8:43 4431M 普通   室蘭本線 711*3  
東室蘭 室蘭 9:11 9:25 4438D 普通   室蘭本線 キハ40*2  
室蘭 東室蘭 12:52 13:06 4453D 普通   室蘭本線 キハ40*2  
東室蘭 南千歳 13:28 14:16 5007D 特急 スーパー北斗7号 室蘭本線
千歳線
キハ281*7   なし
南千歳 夕張 14:29 16:09 2537D 普通   石勝線 キハ40*1 ワンマン
歴史村 レースイリゾート前 17:45 17:51 - 普通   夕鉄バス 日野BlueRibbon ワンマン
夕張 新夕張 17:56 18:20 2640D 普通   石勝線 キハ40*1 ワンマン なし
新夕張 南千歳 19:10 19:41 4010D 特急 スーパーおおぞら10号 石勝線 キハ283*8   なし
南千歳 新千歳空港 19:52 19:56 3972D 快速 エアポート192号 千歳線 721*6   なし
新千歳空港 札幌 21:18 21:57 3973M 快速 エアポート211号 千歳線
函館本線
721*6  
札幌 網走 22:09 6:15 19D 特急 オホーツク9号 函館本線
石北本線
キハ183*7
+ 14系寝台*1
気動車で寝台車を挟み込み(挟み込み位置不明) なし

室蘭本線走破のため室蘭へ

輪西駅舎。 小振りな室蘭駅舎。
御崎駅?の草むらの中にあった「室蘭線発祥の地」の碑。

ユースホステルで朝食を食べてから出発。ユースホステルから駅までは下り坂なのでまだ楽だったが、それなりに距離があった。ユースホステルの最寄り駅である輪西駅は思った通り無人駅だった。

この日は最初に室蘭駅に行こうと思っていたのだが、時間は余り気にせずに出発したので先に東室蘭行きの列車が来たのでとりあえず東室蘭に行くことにする。やってきた列車は711系電車。そう言えばここは電化区間だったと気付く。東室蘭までは1駅なのですぐに到着してしまった。

東室蘭から再び室蘭へ引き返すのだが、すぐ出発する列車は今乗ってきた車両だったので1本遅らすことにする。次の列車はキハ40の単行だった。東室蘭から長万部方向は非電化なので運用の関係で気動車の列車も多いようだ。東室蘭から室蘭の間は線路は曲がりくねっていて、室蘭の市街を縫うようにして走っているという感じだった。右手には室蘭製鉄所の敷地が広がり、室蘭本線に平行して専用線が走っていたが、今でも使われているのかどうか怪しい感じだった。

途中の御崎駅?の草むらの中には「室蘭本線発祥の地」という碑が建っていた。

母恋を出てトンネルをくぐると室蘭駅に到着。室蘭駅は近年移転して、ホーム1面2線の小振りな駅になってしまっていた。

室蘭の廃線跡

旧室蘭駅舎。 白鳥大橋記念館から見た白鳥大橋。

室蘭ではかなり時間に余裕があったので市街を見学しようと思っていたのだが、旧室蘭駅舎が保存されていることが分かったのでとりあえずそこに行ってみることにする。現在の駅から旧駅までは500m近くの距離があり、その間には旧室蘭駅構内だった広大な空き地が広がっていた。室蘭駅は石炭積み出しの拠点駅だっただけに、相当な貨物用の用地があったようだ。この空き地は一部で道路化の工事が行われていたりして、室蘭市街にあることもあり今後跡形もなくなってしまうのではないかと思われる。

旧駅舎は観光案内所として使われていて、今後もこのまま保存されていくものと思われた。しかし駅裏のホームなどは既に無く、駐車場や空き地となっていた。駅舎内の一部は記念館になっていて、旧駅の配線図など興味を引くものが展示されていた。

ここから更に港に向かって貨物線が伸びていたことが分かり、その跡をたどってみることにする。線路跡は細長い空き地などとして残っていて、埠頭部分には一部線路も残っていた。詳しくは廃線跡のページで紹介します。

廃線跡をたどっていったら駅からかなり離れてしまい、室蘭名物白鳥大橋ちかくまで来てしまったので、せっかくなので白鳥大橋記念館まで行ってみることにする。記念館は道の駅になっていて、結構賑わっていた。バスがあるから帰りはバスで駅まで行こうと思っていたのだが、バス停で時刻を調べるとなんと(たしか)1日2本。そんな本数で利用できるわけがない。仕方がないので本数の多いと思われる近くのバス停(水族館前バス停)まで歩く。列車の時間の関係もあるので最悪タクシー利用を考えていたが、 水族館前からのバスは本数が多くてバスで駅に戻ることが出来た。

接続の悪い石勝線夕張支線

こぢんまりしているが特徴的な夕張駅駅舎。 現在の夕張駅は1面1線の単純な折り返し駅。
 
初代夕張駅跡に残されていたホームと駅舎。 線路と平行して廃線跡が続いていた。(夕張〜鹿ノ谷))
清水沢駅。跨線橋の間にあったはずの線路は取り外されていた。 沼ノ沢駅。昔使われていたホームの跡があった。
丘の上に移転した新夕張駅駅舎。 新夕張駅の駅前にはかつての駅名である紅葉山の駅名標が保存されていた。

普通列車で東室蘭に出て、東室蘭から「スーパー北斗」で南千歳へ出る。南千歳からは夕張行き普通列車に乗り換え。

最初は新夕張で特急から夕張行き普通列車に乗り継ごうと考えて時刻表を調べたのだが、新夕張始終着の列車でどの列車にも接続しない列車が多く非常に乗り継ぎが悪い。新夕張には「スーパーおおぞら」の多くは止まらないのだが、これを止めてくれればちょうど良い接続となるのにという列車が多い。元々本数が少ない夕張支線だが、こんなダイヤではますます利用客がなくなってしまうのではないかと思う。なぜこんな利用しづらいダイヤになっているのか不思議である。

その不便なダイヤから何とか導き出したのが今回乗った列車である。千歳始発の夕張行き普通列車で、南千歳から乗り込む。列車は2両くらいつないでいるかと思ったのだが1両だった。南千歳は始発の千歳の次なので空いているだろうと思ったのだがすでにボックスシートは全て埋まっていた。意外に千歳から夕張方面の利用は多いようだ。石勝線の追分〜新夕張の間は追分と夕張を結んでいた旧夕張線の線路を改良して作られた区間で、トンネルも少なく駅間距離も短い。特急が高速で走る石勝線を途中何度か行き違いをしつつゆっくりと進む。普通列車で通ると特急で通るのとは景色も違って見える。

新夕張からそのまま夕張支線に入る。新夕張駅は石勝線開通時に丘の上に移転したので、その前後には旧線の路盤が残っている。駅を出て少し行くと旧線の路盤を見ることが出来た。

新夕張からは旧夕張線の線路そのものであるが、石勝線開通時にこの区間も石勝線の支線に編入されている。そのお陰で廃止を免れたという話も聞こえてくる。

新夕張の次の沼ノ沢駅は今では行き違いも出来ない駅だったが、駅舎との間に距離があり、かつて使われていたホームが顔を覗かせていた。

途中の清水沢駅は広い構内を持ち、昔大夕張炭山への三菱石炭鉱業線が延びていた名残を見せていた。しかし今ではホーム1面2線が使われているのみのようである。さらに、夕張支線で行き違いの出来る駅はここだけのようだった。三菱石炭鉱業線の廃線跡は随所に残っているらしいので是非見に行きたい所だが、今回は予定に組み込めなかった。

鹿ノ谷駅の前後には現在の線路の西側に平行して明らかに廃線跡と思える橋梁や路盤用地が続いていたのだが、これはいったい何なのだろう。鹿ノ谷は夕張鉄道という私鉄との接続駅だったが、夕張鉄道は国鉄線の東側を通っていたようだし、夕張線が昔複線だったとは聞いたことがないし、線路の付け替えでも行われたのだろうか。(その後夕張線は以前複線だったことが分かりました。)

ホーム1面1線の単純な折り返し駅で、小振りな駅舎が建っていた。無人駅だが、駅舎内で花屋?が営業していた。

夕張駅は昔は石炭積み出しに便利な街の奥にあったのだが、石炭列車が廃止されたあと市役所近くに移され、更に平成2年に街の入り口のリゾートホテル前に移転した。だから現在の駅には昔の名残は全くない。乗ってきた列車で折り返そうかと思っていたのだがどうせ時間もあるし、旧夕張駅への廃線跡が残っているのではないかと思って少し歩いてみることにした。

駅の先の線路だったと思える場所はサイクリングロードになっていた。坂道なので自転車で走るのも楽ではないと思うが、線路跡をしっかり残しておいてくれるのは有り難い。しばらく進むと市役所に突き当たった。市役所の近くに2代目の駅があったらしいのだがその位置ははっきりとは分からなかった。線路跡も市役所の用地に取り込まれてしまった感じである。しかしその先には短い鉄橋などが残されていた。

更に坂を上っていくと広い未舗装の駐車場に出る。その駐車場の一角に初代夕張駅のホームと駅舎が残されていた。よってこの駐車場は夕張駅の構内跡であると分かった。駅舎は「石炭の歴史村」の本社事務所として使われていた。石炭の歴史村はこの奥に広がる広大なテーマパークだったのだが、あいにく訪れた時間が遅くすでに閉園していた。かなり広大な施設のようで、一度時間を作ってきてみたい所である。

歴史村から夕張駅にまでは距離があり、列車の時間も迫っていて歩いて戻るのはちょっとつらそうだったのでどうしようかと思っていたらバスターミナルを発見。時刻を調べるとギリギリ列車に間に合うかどうかという時間にバスがある。乗務員休憩所で休憩していた運転手に聞くと夕張駅までは所定で6分ということで、5分ほどの余裕があるのでおそらく間に合うだろうと判断してバスを利用することにした。しかし駅前のバス停名が「レースイリゾート前」とホテルの名前になっているのは分かりづらい。この先バスはしばらく石勝線沿いを走る上、バスの方が本数が多いので電車に乗り換える人はほとんどいないということなのだろう。鉄道の地位も落ちたものである。

帰りの列車で行きに見た廃線橋梁などを撮りながら夕張に戻る。しかしこの時間になると外はかなり暗くなり、写真を撮るのは大変だった。新夕張に着いたときにはすでに真っ暗。乗り継ぎが悪く特急の発車まで時間があるので駅前に出てみたりしたが、駅前にはスーパーのようなところが1件あったほかには何もなく、小雨が降り出したのですぐに駅に戻る。駅は昼間は緑の窓口が営業しているようだったがこの時間には無人になっていた。2階には電気がついていたので駅員はいるようだが、改札業務も行っていなかった。夕張市の代表駅なのにこんなに閑散としているとは思わなかった。

列車の時間が近づくと少しずつ人が駅に現れた。帯広、札幌両方向の特急がほぼ同時刻に出るので意外ににぎやかになった。時間が近づきホームに上がる。ホームは2階のような場所にあり、駅舎の2階からもそのまま線路に出られるようになっていた。長いホームは暗い電気がついているだけでなんだか寂しい雰囲気。階段から上がった場所にある待合室以外は屋根もなく、雨に濡れてしまった。

新千歳空港に寄り道して札幌へ

新夕張で指定券が買えなかったので新夕張からの特急は自由席利用となったが、幸い自由席になんとか空きがあったのでよかった。そのまま札幌まで行くつもりだったが、札幌で夜行の発車まで時間を潰さないといけないので途中の新千歳空港に寄り道することにする。

南千歳で特急を降り、新千歳空港行き「エアポート」に乗り換える。エアポートの運転本数は多く、札幌からの空港アクセスの主役になっていることが分かる。乗車率もかなりいいようだ。

南千歳を出てトンネルに入り、少し走ると空港に到着。空港駅のホームは狭く、人がひしめいていて写真を撮るのも一苦労。もう少し広く作れなかったのだろうか。

夕食をまだ食べていなかったので、空港のレストランは少し高い感じがしたが飛行機を見ながら食べられる場所だったのでここで夕食を撮る。夕食を取ったあとデッキでしばらく飛行機を眺める。夜の飛行場は滑走路や誘導路の光がきれいでなかなかいい感じだった。21時近くになると出発便も残り少なくなってきて人も少なくなってきた。

そろそろ札幌に向かわないといけないと思って時刻を調べると次の列車が夜行に乗り継げる最後の列車であることが判明。15分おきにあった列車がなぜか1本抜けていて、20:48のあと21:18まで30分もないのが原因なのだが危ない所だった。

せっかく指定席がついているのだから窓口で指定を押さえて列車に乗り込む。30分もあいていたためだろうが列車はかなりの混雑で指定をとっておいて良かったと思った。指定席も満席(といってもあいている所に座ってあとから車掌にお金を払う人が多かった)だった。

札幌につくと乗り換え先の「オホーツク」はすでに入線していた。早速乗り込み、改札が来るのを待って就寝。


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