名鉄廃止予定路線乗りつぶし 7

2日目 11月30日(木) その4
美濃町線(関〜競輪場前)、田神線

2日目その4 乗車列車一覧
乗車駅 下車駅 乗車駅
発車時刻
下車駅
到着時刻
種別 行先 経由路線
(乗車区間)
車両形式*両数 備考 写真
新関 12:58 13:01 普通 新岐阜 美濃町線 600*1 ワンマン
新関 新岐阜 13:16 14:10 普通 新岐阜 美濃町線
田神線
各務原線
880*2 ワンマン
連接車
関から新関までの新規開業区間
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最小限の費用で作られたことがよく分かる関駅。 関駅に停車中のモ606。
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関駅のすぐ先の県道横断部分。 関駅裏の県道。写真奥が美濃方向。以前は道路左端を美濃に向かってレールが続いていた。
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県道横断部分。上の写真の道路反対側から撮影。R=25、制限10の超急カーブ。 新関駅駅舎。関駅が出来た今でもこちらが玄関駅になっている。

美濃町線の関から新関の間は、新関〜美濃町の廃止に伴って同区間の代替輸送手段である長良川鉄道との乗り換えを楽にするために延長された区間である。名鉄関駅は路面電車の駅というのがぴったりの小規模すぎるくらいの駅だった。ちょっとした待合室はあったがホームはなく、列車も1両しか止まれないように思えた。(ホームがないのだから強引に2両でも止まれるかも知れないが)

駅で待っていたのは見るからに年代物のモ600形1両。名鉄の路線は岐阜市内線なども世代交代が進んで旧型車を見ることは少なくなっていたので、まだこんな車両が走っていたのかと少し驚いた。幅が狭いので非常に背が高く見え、高速でカーブを曲がったりしたら倒れてしまうのではないかと思ったりする。あとで調べてみるとこの形式は新岐阜直通のために600V区間と1500V区間の両方を走れる初めての複電圧車として作られたもので、記念すべき車両であることが分かった。また、今でも残っているのは今回乗車したモ606のみであるようだ。貴重な車両に乗れたことになる。

停車中の列車に乗り込むと車内には1人先客が乗り込んでいた、と思ったら車内でくつろいでいたのは運転手だった。発車直前に約1名の乗車があり発車。

関を出るとすぐに急カーブで90度向きを変え県道を横断する。以前はこの県道の左端を美濃に向かってレールが延びていた。横断部分はおそらく車が架線を引っかけないように高さ制限するための設備や目立つように工夫された警報機などがあり一見大がかりな設備に見えたが遮断機はなく、車が停車するのを確認して列車が進むようになっているようだ。県道を渡るとすぐに再び急カーブで90度近く向きを変えて以前美濃に続いていたレールに接続する。その後また逆方向にカーブして20mほどの橋を渡ると新関駅である。この区間は急カーブだらけで制限10キロの標識があるなど、あとで出来るだけ安価に作ったということがよく分かる。関〜新関の距離は120mだそうで、実際歩いても5分とかからない。関で列車に乗り遅れても新関まで走れば乗れるのではないかと思う。

車両が古く、これで新岐阜まで行くのはちょっとつらいと思い新関で下車。関駅までの区間を徒歩で観察する。新岐阜から新関に到着した2両ユニットの列車が関方向に進んできたのでてっきり2両の列車も関駅に行くのかと思ったが、構内を出てすぐの橋の上で停車し、しばらく停車した後新岐阜方への出発ホームに入っていった。

興味深い続行運転、新岐阜直通運転
新岐阜に到着した880形

新関発の次の列車に乗って新岐阜に向かう。今度の列車は連接車のモ880形。従来の車両とは明らかにデザインセンスが違い、登場したときはかなりインパクトのある車両だった。見かけたことは何度もあったが乗るのは初めて。車内は固定クロスシートだったかボックスシートだったか忘れた。専用軌道といっても途中横切っている道路にはかなり大きな道路なのに踏み切りのない所などもありそのようなところでは15キロくらいの最徐行となっていた。このような箇所を改良すればかなりスピードアップできそうである。

日野橋では停車中の徹明町行き列車と同じ線路に進入し、その列車のすぐ後ろに停車。ここからはこの列車に続行して走る。走行中も常に先行列車が見えていた。途中駅でも同じ線路に進入しすぐ後ろにつけて停車する。目視だけで運転できる路面電車ならではの光景である。続行運転は競輪場まで続く。競輪場では徹明町行き列車がまっすぐ発車していったあと、こちらは左に90度カーブして田神線に入る。

田神線は各務原線と美濃町線を結び、美濃町線の列車を新岐阜まで直通運転する使命を負っている。各務原線は直流1500Vなので、新岐阜直通の列車は600Vと1500Vのどちらも走れる複電圧車という特殊な車両を使用している。このような車両は全国的にも非常に珍しいと思う。

少しの間道路中央を走るがすぐに右にカーブして専用軌道に入る。専用軌道を少し走ると市ノ坪に到着。ここを出てすぐの所に600Vと1500Vのセクション(切り替え区間)があるらしいのだが、乗っているときにはよく分からなかった。次の田神駅で各務原線にはいる。各務原線を走るのはわずか1駅だが、この区間はモーターをうならせ目一杯の速度で走っていた。新岐阜では美濃町線列車専用の低いホームに停車した。


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