乗車駅 | 下車駅 | 乗車駅 発車時刻 |
下車駅 到着時刻 |
列車番号 | 種別 | 愛称 | 経由路線 | 車両形式*両数 | 備考 | 写真 |
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上野 | 札幌 | 17:18 (前日) |
9:45 | 8005 | 寝台特急 | 北斗星81号 | 東北本線 津軽線 海峡線 江差線 函館本線 室蘭本線 千歳線 函館本線 |
EF81*1(上野〜青森) ED79*1(青森〜函館) DD51*2(函館〜札幌) + 24系25型*10(電源車含む) |
臨時列車 | |
札幌 | 岩見沢 | 10:08 | 10:49 | 161M | 普通 | 函館本線 | 731*3 | |||
岩見沢 | 滝川 | 12:30 | 13:11 | 2183M | 普通 | 函館本線 | 711*3 | |||
滝川 | いくとら 幾寅 |
13:28 | 16:04 | 2431D | 普通 | 根室本線 | キハ40*1 | ワンマン | ||
幾寅 | しんとく 新得 |
16:52 | 17:21 | 9627D | 快速 | ホリデーおびひろ | 根室本線 | キハ150*1 | ワンマン |
目覚めたらすでに日はかなり昇っているようだった。ブラインドを開けると防雪林の間を走っている。線路脇が防雪林では遠くの景色がよく分からない。進行方向からして、すでに函館をでていることは分かった。江差線部分を見たかったのだが、青函トンネル侵入までまともに寝ていないのではやはり無理だった。しばらくすると防雪林が切れ、雄大な山がそびえている風景が飛び込んできた。実際に見たことはなかったが一目で駒ヶ岳だと気付いた。ということは列車は大沼〜森間を走っていることになる。この区間は、駒ヶ岳の西を通るこのルートの他に駒ヶ岳の東の海岸沿いを迂回するルートもある。迂回ルートは勾配を緩和するために太平洋戦争中に敷かれたものだが、元のルートの方が距離が短いため「スーパー北斗」はじめ優等列車のほとんどは元のルートを走る。迂回線は上りの一部の客車列車と全ての貨物列車の他はローカル列車しか運転されていない。あとから作った線の方が廃れているのも珍しいが、貨物は全てこちらを通っているわけで、作った意味はあったということか。このほか、この地域では大沼〜七飯間も2つのルートがあり、一度ゆっくり訪ねてみたかったのだが今回の旅行では行程の都合がつかず見ることができなかった。次に北海道に行くときにゆっくり見てみたいと思う。
長万部到着を前に夜間停止されていた車内放送が放送が再開され、食堂車営業の案内も入る。夕食は駅弁だったが、せっかくなので朝食くらいは食堂車で食べたいと思い食堂車に行ってみた。しかし食堂車は満員で通路に並んでいる人もいたためとりあえず断念。これはもしかしたら食堂車での朝食は無理かも知れないと思ったが、30分ほど時間をおいてからもう一度行ってみたらまだ通路に並んでいる人はいたが、先ほどより列が短くなっていてすぐに番が来そうだったので並ぶことにした。案の定すぐに番が来て食堂車での朝食を楽しむことができた。メニューは洋食と和食の2種類でどちらも1600円。僕は洋食の方にしてみた。朝食だから簡単なものだろうと思っていたら、まずパンとジャム・バターの皿とサラダ、ヨーグルトがでてきて、暫くするとフルーツの盛り合わせの皿とスクランブルエッグ、ウインナーなどが載った大きな皿がでてきた。そしてほとんど食べ終わる頃に紅茶(他のものを頼むことも可能)が出てきた。弁当のような容器に入ったものがでてくるだけかと思っていたのでこのように順番に何皿もでてくるのはびっくりした。メニュー的にも朝食にしてはかなり豪華で、時間が経つにつれて食堂車も空いてきていたので味わいながらゆっくりと食べることができた。結局食べるのに40分くらいかけたと思う。朝食にこんなに時間をかけたのは初めてかも知れない。ところで食べているときに気付いたが、北海道の運転手は駅に停車するときに停車位置手前でブレーキを強めて停車することが多いようだ。走り出しやブレーキのかけ方は食堂車をつないでいる豪華列車の上、ショック制御の難しい客車列車なのでかなり慎重な運転をされているようなのだが、停車寸前にブレーキを強めるためにどうしてもそこでショックが大きくなってしまって乗り心地を損なっている感じである。ダイヤ的に厳しいこともあるのだろうが、もう少し何とかして欲しい。このあと乗った特急などの他の列車でもこういった止め方が多かったように記憶している。ちなみに本州(JR東日本)ではこんなことはなかったと思う。到達時間は大して気にしない乗客がほとんどなのだから、室蘭本線のダイヤが厳しいのなら小樽を通る函館本線山線を経由してもいいと思う。個人的には山線経由の方がうれしい。
食堂車から戻ると南千歳に到着。北斗星の旅ももうすぐ終わりである。もうすぐ札幌に到着するという放送がかかる。荷物を整えて降りる準備をする。車掌が部屋の鍵を回収に来た。しかしもうすぐとはいえ、途中で運転停車して特急と快速を先に行かせたりしたのでかなり時間がかかった。まあ焦るような必要もないので部屋でゆっくりしているといよいよ札幌に到着。他の人が降りるのを待ってゆっくり列車を降りる。牽引機関車が函館からDD51型ディーゼル機関車の重連になっているのでこれを撮影しようとホームの端へと向かう。しかし残念なことに機関車はホーム先端にぴたりと鼻先をあわせて停車していて、前面に掲げられているはずのヘッドマークを撮ることができず、かなり残念だった。暫く停車していたあと、列車は車両基地へ向けて出発していった。
北斗星が回送されていくのを見届けたあと、ちょうどやってきた普通列車に乗り込み岩見沢まで移動する。この列車に乗ってもこの1時間30分後の列車でも岩見沢での待ち時間が変わるだけでその後の行程は変わらないので、本当は札幌で途中下車して時間を使いたかったのだが、今回使っている切符は1日目で説明したように白石-札幌は料金に含まれていないものでこの区間で途中下車することはできず、仕方がないので岩見沢で時間を潰すことにしたのである。
列車は通勤用のロングシート車両。こういう車両は景色が見づらいので嫌いなのだが札幌近郊では仕方がない。乗客は着席定員の3分の1から半分くらいでしかなかった。各駅数人程度の乗降がある。40分ほどで岩見沢に到着した。岩見沢は室蘭本線と函館本線の接続する拠点駅で、駅の規模はかなり大きいのだが、昔は線路がひしめいていたのであろうスペースもほとんど草に埋もれている。町の規模としても市だけあってそこそこ大きい。この駅で旅行3日目から使用する北海道フリー切符(グリーン車用)を購入する。この切符はグリーン車用とある通り特急のグリーン車が追加料金なしで利用できるのだが、それよりも道内完結列車のB寝台が利用できるというのが大きい。夜間座席車で眠るのはかなりつらいものがあるが、寝台列車なら2日や3日くらいの連泊なら何とかなるからである。寝台列車を利用することによって夜間に移動することもできるし、宿代が浮かせるというのは非常においしい。宿に泊まると料金がもったいないのもあって朝早くの出発はしにくいのだが、夜行列車は目的地に朝早く到着するので、その日の行動時間が長く取れるというメリットもある。本当は出発前に切符を買って夜行の寝台を押さえておきたかったのだが、東海地区で発売しているところがないため仕方なく現地で買うことにしたのである。指定席の予約状況を事前にチェックしたところわりと直前でも大丈夫そうだったこともある。実際、予定していた列車の寝台を取ることができた。実際乗った列車は下段寝台はほとんど全て埋まっていたが、上段はかなりあいていたので、上段になってもいいのなら直前でも問題なく取れるようだ。寝台車の増結を行っていた列車もあった。
切符の購入後、郵便局を探してお金をおろす。郵便局は駅から少し離れた裏通りに面していて、マークが目立つところに書いてないこともあって探すのに少し苦労した。その後は駅の待合室で今後の行程を考えながら時間を潰す。
ようやく列車の時間が来て滝川行き普通列車に乗り込む。岩見沢から先は普通列車の頻度が極端に少なくなる。ほかの線区でも北海道では普通列車の頻度はかなり低く、青春18切符で旅するような人はかなり大変だろうと思う。40分ほどで滝川に到着、根室本線の普通列車に乗り継ぐ。
函館本線は電化されていたので電車だったが、根室本線は非電化なので気動車となる。編成は1両。それで全ての乗客が座れてしまうのが悲しい。
根室本線の滝川から新得までの区間は、昔はその名の通り根室への幹線ルートだったのだが、石勝線が開通してからは定期の優等列車もないローカル線になってしまっている。普通列車の本数も2時間おきくらいしかない。でも、夏休みのこの期間は臨時の特急や快速が走っていて、普段より利用しやすくなっている。途中の芦別駅でそのゾート気動車を使った富良野行き臨時特急「ふらのラベンダーエクスプレス」を先に行かせるため長時間停車。ホームに降りて撮影することにした。ホームは旧メインルートだけあってかなり長い。でも端の方は崩れてしまったりしていて、全く使うことがないのだと分かる。更に線路の有効長は長編成の貨物にも対応できるようにホームよりも相当長く取ってあって、かなり遠くにポイントが見えている。そのポイントをわたり、ゆっくりと撮影目的の「ふらのラベンダーエクスプレス3号」はやってきた。車両は白とブルーのニセコエクスプレスの3両編成。乗車率はなかなかいいようだ。駅本屋に隣接した1番ホームに停車し、すぐに発車していった。こちらもそれを追うように発車したが、次の上芦別で今度は対向の札幌経由新千歳空港行き「ふらのラベンダーエクスプレス2号」と行き違うためまた長時間停車。ふたたびホームに降りて撮影する。やってきたのは銀色に輝くクリスタルエクスプレス3両編成。先ほどのニセコエクスプレスより格好いいと思った。特急はこの上芦別には止まらないのでかなりの速度で通過していった。この時点ではまだフリー切符ではなく岐阜から続く普通乗車券で乗っているので特急を利用することはできなかったが、是非とも乗ってみたいと思わせる列車だった。
上芦別の次の野花南をでて暫く行くと、ダム建設のために付け替えられた新線区間に入る。旧路盤が左にカーブを切りながら分かれていくとすぐにトンネルに入った。このトンネルがものすごく長い。通過するのに10分くらいかかったと思う。途中行き違いのできる場所もないようなので、列車増発をするときにはかなりネックになる区間だろううとおもった。そんなに増発するつもりはないと言うことなのだろうが、有珠山噴火で室蘭本線が普通になり、函館山線へ迂回したときのように、いつ何があるか分からないので最低限の輸送力は確保できるようにしておいてもらいたいところである。トンネルを出ると旧線の路盤が左に寄り添ってきて島ノ下に到着。
島ノ下を出ると平野が開け富良野に到着。この駅では20分近く停車時間があったので一度改札を出てみた。駅前は観光客が多くいてかなり活気があり、さすが有名観光地富良野だと思った。まだ昼食を取っていなかったので駅弁を売っていないか探したのだが残念ながら弁当類はなし。岩見沢か滝川で買っておけば良かったと思うが後の祭り。仕方がないので何とか売っていたパンを買って再び列車に乗り込む。
ところでこの列車は落合行き。落合は新得の一つ手前の駅で、別にそんなに大きな駅ではなく、周りの集落もかなり寂れている。この日はこの列車の約1時間後に臨時の快速があるのでまだ良かったが、こんなところを終着にされても新得までの1駅(といっても峠越えで距離はものすごくあるが)の列車が無く先に行けない。どうしてこんな駅を終着にするのか非常に疑問である。とりあえず落合まで行っても何もすることがなさそうだったのでその一つ手前の幾寅で降りる。
幾寅は映画「鉄道員」のロケ場所として有名になった駅である。映画の公開からはすでにかなりたっているのだが、その効果はまだまだ続いていた。小さな駅には駅員がいて切符やオレンジカードの販売をしていた。駅前にはロケセットが立ち並び、ライダーの方々や車で来た観光客ががひっきりなしに訪れる。暫くすると観光バスも到着し、かなりの賑わいとなった。すぐ隣の、町の建物の中では鉄道員展が開かれていて、撮影現場の写真や小道具などいろいろな展示があり、その映画も上映されていた。
帯広行き臨時快速「ホリデーおびひろ」の発車時間が近づいたのでホームに上がって待つ。しかし予定時間になっても一向に列車が来ない。観光客は周りに多くいるのだが、列車に乗ろうという人は一人もいないらしく誰も気にしていない。予定時間を5分くらい過ぎただろうか、ようやく踏切の鳴る音がひびいてきて、程なく列車が現れた。降りる人はいたが乗る人はやはり誰もいなかった。
快速「ホリデーおびひろ」はたった1両のワンマン運転。旭川からの長距離快速なのだから2,3両はつないでいると思っていたのに肩すかしを食らった感じだ。
落合を過ぎて暫く行くと新狩勝トンネルに入り、トンネル内で石勝線と合流する。その合流を見ようと立ち上がって運転席脇のあたりに移動。トンネルにはいる手前ですでに右手に石勝線が見え、トンネルにはいるとすぐに石勝線が隣を走るようになった。そして石勝線への渡り線があってその後暫くは複線で平行して進み、その後こちらの根室本線側から石勝線側へ合流するという、石勝線優先がよくわかる配線だった。どうやらここで行き違いをすることもできるようである。新狩勝トンネルを抜けると大きなS字カーブを描きながら新得の町へと降りていく。この途中の眺めはすばらしいものがあった。途中に信号場が3箇所あるのだがどの信号場でも行き違いの列車はなく、両開きポイントを90キロほどの高速で通過していく。
新得駅到着。本日の宿であるサホロユースホステルを探す。駅から徒歩7分という時間は余り当てにならないと思っていたがぴったり7分で到着。国道沿いの分かりやすい場所にあった。