山陰・山陽旅行記-3

3日目 3月16日(木)
三次〜神辺〜総社〜岡山〜津山〜姫路〜岐阜

3日目乗車列車一覧
乗車駅 下車駅 乗車駅
発車時刻
下車駅
到着時刻
列車番号 種別 愛称 車両形式*両数 備考 写真
みよし
三次
ふちゅう
府中
8:46 10:09 726D 普通   キハ120-300?*1 ワンマン
ボックス+ロング
キハ120-0 三次
府中 かんなべ
神辺
10:16 10:44 542M 普通   105*2   105 府中
神辺 そうじゃ
総社
11:07 12:15 222D 普通   IRT355*1 井原鉄道
ワンマン
IRT355 神辺
総社 岡山 12:33 13:08 748D 普通   キハ40-3000*1 ワンマン キハ40-3000 総社
岡山 津山 13:20 14:26 3636D 快速 ことぶき5号 キハ47*2   キハ47快速「ことぶき」 岡山
津山 こうづき
上月
14:55 15:45 2832D 普通   キハ120-300?*1 ワンマン(表示) キハ120-300? 津山
上月 姫路 15:53 17:11 878D 普通   キハ47*2   キハ47 上月
姫路 米原 17:32 19:51 3234M 新快速   223-3000*8   223-3000 米原
米原 大垣 19:55 20:28 236F 普通   115-5000*4 JR西日本車 115-5000 米原
大垣 岐阜 20:33 20:44 2262F 新快速   313-0*4 この一つ後の特別快速だったかも なし
まずは福塩線を南下し神辺へ

 実は今回の旅行、3日目の計画はほとんど考えていなかった。とにかく岐阜にたどり着ければよく、姫路から新快速に乗りさえすればあとは乗り換えなどはほとんど考えなくてもよいのでとにかく姫路にさえ着ければいいと思っていたからである。事前の考えでは木次線の備後落合行き最終には間に合わないだろうと思っていて、新見に泊まって姫新線経由で帰ってくるという予定だったのだが何とか間に合ったので3日目は三次から出発することになった。広い構内を持つ三次駅
 朝ホテルから線路が見えるので眺めていたときには、キハ47?*2の列車が出発していった。どうやら朝の通勤・通学時間帯は2両編成の車両が使われているようだ。残念ながら私の乗った列車は新鋭のキハ120-300?だった。こちらの車両は昨日の木次線の車両と違ってボックスシートもあるので景色を見るのに好都合である。やはりオールロングシートよりこちらの車両の方が断然よいと思う。列車は比較的ゆっくりと進んでいく。昨日の木次線と違って勾配は緩いのでエンジン音も穏やかである。しかし川に沿って線路が引かれているため急カーブが多く、決して線形は良くない。
 府中からは電化区間。車両も電車に変わる。昔は福山に直通する気動車列車もあったようだが、現在は全ての列車が府中乗り換えになってしまっている。高性能気動車なら電車のダイヤを乱さずに福山に乗り入れられるが、見たところキハ120は新型車にしてはそれほど馬力はないようだし、このような小型車両では福山乗り入れは難しいと思う。乗車率も府中を境にかなりさがあるようだし、直通は無理なのかな?府中からの列車はオールロングシートの通勤車両。立ち客もそれなりに出ていた。井原鉄道に乗るため神辺で下車。

高規格路線に高性能車両の井原鉄道

 神辺からは第3セクターの井原鉄道井原線に乗る。この路線は元国鉄井原線として建設されていたが、採算がとれそうになく工事中止となっていた物を第3セクターとして復活させた物です。岡山県総社、清音と広島県神辺を結んでいる42キロ(総社・清音間含む)ほどの路線です。総社と清音の間はJR伯備線に乗り入れ運転をしています。
 今回18切符を使っていて、JR線は乗り放題なのだが、清音・総社間の運賃はどうなるのだろうと思って聞いてみると別に払わなければならないそうである。JR線区間でも井原鉄道の車両に乗るときは別に料金が必要なようだ。神辺・福山間への乗り入れ運転もしているが、こちらはどうなのだろう?(おそらくこちらは18切符で乗れると思うが)総社駅 祝井原鉄道開業1周年の垂れ幕があった
 神辺を発車してすぐに高架に上がり右にカーブをとる。ここでいきなり95キロ制限の標識があった。また別の場所では制限100の標識もあったように記憶している。第3セクター線で95キロもの速度を出すところはあまりなく、ちょっとびっくり。最高速度の設定は何キロなのだろう。線形同様車両の性能も高く、乗っていても実際早い。高架を走っているため速度が遅めに感じるはずなのにも関わらずかなりの速度が出ているようだ。シートもボックスで今まで何回か乗ってきたキハ120などとは大違いである。最高速度は高いが、ダイヤ的には余裕があるらしく、駅が近づくとかなり手前から減速してゆっくりと駅に入っていく。途中かなりゆっくり走った区間もあった。でもダイヤに余裕があるのはワンマンのため客扱いに時間がかかることがあるのを考慮しておかなければならないことを考えると仕方がないことである。もし車掌を乗せるなどすればもっと時間短縮ができると思う。
 乗客は総社発車の時点ではかなり少なかったが、清音に近づくにつれてだんだんと増えてきた。参考にした書籍によるとこの鉄道は沿線の中心都市井原から福山、岡山両方向への需要があるようで、朝福山から地元井原に帰る人はそんなに多くないはずで、この乗車率は納得できる。
 車両の高性能さにも驚いたが、トイレ付き車両であることも驚いた。この程度の短距離路線にトイレ付き車両は普通いらないはずである。これらのことを考えるとどうやら井原鉄道はすでに行っている福山直通に加えて岡山への直通も考えているように思う。福山・岡山間を走るとなれば2時間程度かかるだろうからトイレもあった方がよいだろうし、既存のダイヤを乱さないために高性能車両が必要になってくると思う。(吉備線に乗り入れるならそんなに高性能でなくてもいい気もするが・・)とにかく岡山直通はするべきだと思う。その際伯備線、山陽線経由では現在の線形では清音でスイッチバックしなければならないし、総社直通をどうするかという問題がある上、ダイヤ調整にも苦労しそうだからから多少時間がかかるかもしれないが吉備線経由がいいと思う。吉備線の線形はそんなに悪くなさそうだったし、吉備線沿線の活性化にもなる。(まあ吉備線は単線だから列車本数が増えるとこちらもダイヤ調整には苦労しそうだが・・)

総社からは吉備線で岡山へ

 総社からは吉備線を使って岡山へと足を進める。清音で降りて、伯備線、山陽線を使った方が岡山へは早いが、やはりここは吉備線に乗っておくべきだろう。井原鉄道が岡山直通をする上で吉備線を使うとどうなるかも見ておきたい。
 吉備線の列車はキハ40の3000番台単行。オールロングシートへの改造をしてあった。ワンマン運転である。私は単行でオールロングシートにするのはどうかと思う。経費削減にはなるだろうが、やはり2両つなぎ、もっと快適なシートにすべきである。まあ吉備線の場合は距離が短く、通勤・通学利用が主だろうからいいと思うが。発車時点では着席定員の半分くらいの乗車率だったが、途中からどんどん乗ってくる。岡山到着時点では立ち客の方が座っている客よりも明らかに多く、ちょっとした通勤ラッシュ並の混雑具合になっていた。どうやらこの線は今回の3月11日のダイヤ改正でワンマン運転になったばかりらしく、まだ5日しか経っていないので後ろ乗り前降りが認知されていなくて列車が到着して前から乗り込もうとしたあと後ろの扉へ走っていったり、前から乗ってしまったりする人が多かった。しばらくすれば認知されるとは思うが、このような方法ではダイヤが乱れることが多く、それを見越してダイヤがたててあるのか平野部にもかかわらず非常にゆっくりとした速度だった。これなら高速化の余地はかなりありそうだった。

津山線で再び山の中へ

 岡山からは津山線の快速「ことぶき」で再び山の中へと入っていく。まあ山の中と言っても中国山地の麓の津山盆地まで行くだけで中国山地そのものを越えるわけではないから昨日の木次線のようなことはない。勾配、カーブもかなり急な箇所もあったが列車の速度は比較的高かった。この路線は普通列車も2両編成だったし、快速、急行も走っているなど(他の線に比べれば)かなり需要があるようだ。ちなみにこの快速「ことぶき」にはわずか8席だが指定席が連結されていた。

姫新線で姫路へ

 津山駅は鉄道の要衝だけあってかなりの規模があった。しかし止まっている車両は単行の車両やせいぜい2両編成の車両ばかりでそういう意味ではやはりローカル線の駅という感じがしてしまう。津山駅構内
 ここからは姫新線で姫路へと出る。姫新線も列車本数が少なく、計画を立てる上では苦労した。津山からの列車は今回の旅で何度も乗っているキハ120(300?番台)で、JR西日本のローカル線の標準車両になっているようだ。この車両、新設計の車両にしてはいまいち性能は低そうだ。(それとも車両性能を発揮できるようなダイヤになっていないだけ?)小型車両であることもあり、都市部への直通は無理そうだ。都市部への直通ができないことで、ますます利用客の減少を招いてしまうような気がしてこの先心配である。
 相変わらずの低速走行が続くが、この低速走行は路盤の整備の手間を減らすため、できるだけ路盤に負担をかけないようにするためでもあるようだ。途中には急カーブでもないのに25キロの速度制限標識が立っていた。しかもその下には雨15のおまけ標識付き。駅構内でもないのに15キロの速度制限とは・・遊園地の列車じゃあるまいし。更に時刻表を見ると分かるが第2土曜は午前中の列車3本を運休して線路保守をやるようで、もはやあきれてくる。でも線路を残してくれるだけありがたいと思わなくてはいけないのかも。
 上月で2両編成の気動車に乗り換え。上月は周りは大した集落ではなく、車両基地があるわけでもないので次の佐用を始発にすればよいわけで、この駅始発の列車が設定されている意味がよく分からないがおそらく何かあるのだろう。
 佐用では第3セクターの智頭急行線と交差している。姫新線と接続している(線路がつながっている)のか興味があったが接続はしていなかった。上郡から来た智頭急行線は高架で姫新線を乗り越した後、一旦地上に降りてJR線と並んで地平にホームがあった。そして駅を出るとまた高架となって智頭へ向かっていく。元は国鉄線として計画されていたため、姫新線との接続も考えられていたのだろう。その気になればすぐにでも姫新線と接続できる配線になっていた。
 佐用からは姫路に近づくにつれて乗客が増え、姫路から郊外への路線として機能しているようだ。

姫路から新快速で帰途につく

 今日も昨日に引き続きこれまでまともな昼食をとれていなかったので、姫路駅ホームの立ち食いそばで空腹を満たす。まだ夕食には早い時間だが立ち食いそば屋は大盛況だった。ここの立ち食いそばは有名なのだろうか?
 姫路からは新快速で一気に米原まで行く。米原までは約200Km、130キロ走行の新快速でも約2時間20分かかる。初日に米原から京都まで新快速を利用したが、その時以上に揺れを感じる。一旦揺れを感じてしまうとどうも気になってしまうのがいけない。そういえば僕は大抵先頭車に乗るのだが、先頭車は特に揺れると言うことはあるのだろうか?大阪に向かうにつれてだんだんと込んできて、立ち客が多くて前面展望が利かなくなる。車窓も暗くなってきて、やることがないので今までの疲れもあり仮眠モードに突入する。京都をすぎると少しずつ乗客が減っていったようだが、米原に着いた時点でも立ち客の姿も多かった。この利用率を見る限り、全ての新快速を12両編成にすべきだと思う。

米原から岐阜までが意外に大変

 米原では網干を16:01に出た大垣行き普通電車が後ろ数両の切り離しを終えて待っていた。今でも国鉄時代の名残で数往復残る大垣行き直通列車である。でも新快速で米原まで来た方が遙かに早く、いくら乗り換えなくてもいいと言っても座り心地も決して良くないこの列車を米原をまたいで利用する人がどれだけいるのだろう?直通はいい加減廃止してもいいように思うのだが?またどうせ直通するなら新快速を直通させてほしい。
 米原から大垣までは快速は走っていない(種別表示は快速の物もあるかもしれないが)。乗降客は数えるほどだが全ての駅に律儀に停車していく。これが今まで新快速でとばしてきた後だと何とももどかしい。しかも99年秋のダイヤ改正で名古屋方面への直通が減り、多くの列車は大垣乗り換えが必要になっている。さらにこの米原・大垣間は東海道線の中で一番列車本数が少ないそうである。JR東海にはもう少し何とかしてもらいたいところである。できれば新快速か快速を毎時1本は米原まで直通させてほしい。もちろんこの区間も快速運転で。
 大垣で再び乗り換えて岐阜までの最終行程に付く。この区間も前記のダイヤ改正で新快速でも各駅停車となり不評を買っている。関西でもそうだが新快速の停車駅をあまり増やしてほしくないところである。  


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