山陰・山陽旅行記-2

2日目 3月15日(水)
米子〜出雲市〜宍道〜備後落合〜三次

2日目乗車列車一覧
乗車駅 下車駅 乗車駅
発車時刻
下車駅
到着時刻
列車番号 種別 愛称 車両形式*両数 備考 写真
米子 ほうきだいせん
伯耆大山
7:31 7:39 922M 普通   165?   なし
伯耆大山 米子 10:55 11:03 943M 普通   165? もしかしたらこの前の列車だったかも? なし
米子 出雲市 11:28 12:27 3423D 快速 とっとりライナー キハ28+58 ヘッドマーク付き なし
出雲市 しんじ
宍道
15:24 15:45 130D 普通   キハ47*2 7分ほど遅れた なし
宍道 びんごおちあい
備後落合
15:58 18:58 557D 普通   キハ120-0*1 オールロングシート
ワンマン表示
557D 宍道
備後落合 みよし
三次
19:18 20:21 367D 普通   キハ120-1300?*1 ロング+ボックスシート
ワンマン
なし
まずは「出雲」の撮影に

 2日目は、午前中は伯耆大山に戻り、寝台特急「サンライズ出雲」と「出雲」を撮影することにしていた。このためにわざわざ伯耆大山の地図まで持っていったのだから、是非ともこの撮影は成功させたかった。特急「やくも」 伯耆大山付近寝台特急「サンライズ出雲」 伯耆大山付近
 なぜ伯耆大山を撮影場所に選んだかと言えば、この駅は山陰本線と伯備線の接続駅であり、両方の線の列車を撮影できるうえ、山陰本線はこの駅より倉吉側は電化されていないため架線のない箇所を走る列車を撮影できるからです。しかも事前に地図を買って調べた結果、駅から少し歩けば民家のほとんどない田園地帯であることが分かり、撮影にはベストな場所と判断したからです。
 少し早めの時間にホテルをチェックアウトし、昨日下見をした伯耆大山に戻る。駅のコインロッカーに荷物を入れ、徒歩で目的の撮影場所に移動する。まずは伯備線側から来る「サンライズ出雲」がターゲットだが、伯備線側の撮影ポイントに来た時点でまだ十分に時間の余裕があった事と、「サンライズ」と「出雲」の来る時間の差は20分程度しかなく「サンライズ」撮影後は急いで山陰線側に移動しなければならないことから、山陰線側の撮影ポイントを決めるべく一旦山陰線側に移動する。そして山陰線側の予定していた撮影ポイントの堤防に移動したのだが、工事が行われていて線路の近くまでいけない。よって列車を真横に近い角度でとらえることになり、編成の長い「出雲」を写すにはあまり適していないし、ヘッドマークを入れたいことを考えるとこの撮影ポイントはあまりよくないことが分かった。特急「くにびき」 伯耆大山付近
 ここで時間が迫ってきたのでとりあえず伯備線側に移動。伯備線は単線の割にはかなり列車本数が多く、特急「やくも」や普通列車がかなり通る。これらを撮影しつつ「サンライズ出雲」を待つ。どの角度でとるかいろいろ迷ったが、横からとらえるにはいろいろ障害物があったので正面をとらえることにした。こういう撮影は1発勝負だから緊張した。できあがりはちょっと露出不足だったかな。(この取り込んだ写真は後で補正してあります)山陰線普通列車 伯耆大山付近
 「サンライズ出雲」の撮影を終えるとすぐに山陰線側に移動。でもさっきの場所はやめにして、国道?の跨線橋の上からとれないかと思って行ってみた。でもフェンスがあったので残念ながら撮影は無理、下からとることにした。民家等が邪魔で構図が制限されてしまったけど、結果的にここの方がよかったと思う。それはいいのだが、すぐに来るはずだった「出雲」が待てど暮らせどこない。ほかの列車は通っていくのだがどうしたことか。昨日今日の天候では遅れが出るようなことはないと思うのだが、1時間ほど待ってもやはり来ない。仕方がないので駅に戻って聞いてみると福知山管内で止まっていて、いつ来るか分からないとのこと。福知山ではどうにもならないのであきらめて米子に戻る。米子で、「出雲」遅れの原因は機関車故障だと分かる。しかし機関車故障とは・・何とも付いてない、天候がよかっただけになおさら残念だ。

午後は旧大社線の調査

 伯耆大山での撮影を終えた後、一旦米子に戻り、急いで食事をとる。時間は11時過ぎ。こんなに撮影が長引くとは思っていなかったのと、喫茶店くらいあるだろうと思って朝食をとっていなかったが、撮影で忙しくて結局朝食はとっていなかったので腹ぺこだった。今回の旅行では、この後も食事の手配に苦労することとなり、後の旅行のよい教訓になった。
 米子で食事を済ませると、急いで出雲市へ移動。出雲市では今回の旅の最大目的である旧大社線(出雲市〜出雲大社)の調査をしてきた。しかし伯耆大山での撮影が予定より長引き、この後できれば木次線に乗りたかったので時間がなく結構大変だった。

関連ページ旧大社線の調査については廃線跡調査のページに掲載してあります。

スイッチバック体験をするため木次線へ

 旧大社線の調査を何とか予定時間までに終えて、間一髪出雲市行き普通列車に乗り込む。しかし時間になっても発車しない。接続の普通列車が遅れているので到着まで待つとの車内放送がある。宍道での木次線列車への乗り継ぎは13分あるが、それ以上に遅れてもし乗り継ぎができなかったらどうしようと焦った。何しろ木次線全線を走破して備後落合まで行く列車は一日3本しかない(逆方向は4本、途中駅で乗り換える物を含む)。予定の列車に乗り遅れると今日中に備後落合まで行けず、木次線を諦めなければならなくなる。それだけにもし遅れても待ってくれるだろうとは思うが、不安は隠せない。しかし幸運にも接続列車はこちらの発車予定時刻を5分ほど過ぎたところで到着。単線のため行き違い駅変更等が大変らしく、遅れはむしろ広がってしまったが宍道には木次線列車発車の3分前くらいに到着した。でも木次線列車は後続の特急「おき4号」を待ったため5分ほど遅れての発車となった。木次線の出発信号 宍道
 木次線はどうやら通票閉塞のようだ。信号機に「票」の札があるし、行き違い駅には駅員がいて通票の交換を行っていた。このようなことが行われている線区はもう数えるほどしかないし、見るからに人件費がかかるのでいつまで残るか分からないのが寂しい。出雲横田駅にあった腕木式信号
列車はワンマンの表示を出しているが、途中の出雲横田までは後部運転席にも運転手が乗り込みツーマン乗務だった。後にこれは途中の木次から後部に締め切り扱いで回送の1両をつなぎ、この車両が出雲横田で切り離されて宍道行きとなって引き返すようになっていて、この宍道行きの運転士が乗っていたのだと分かった。
 宍道駅を出た時点では席はほぼ全て埋まっていた。結構込んでいる。結構利用率は高いと分かった(といっても所詮1両だが)。
 木次を出て次の日登を過ぎると一転して山岳路線となり、急な登り勾配と急カーブ、トンネルが続く。速度もぐっと落ちて40-45キロくらいになってしまった。が比較的長いトンネルを越えると今度は急な下り勾配となる。これは盆地を結んで線路が造られているためである。出雲三成を出るとまた登りになり、そして出雲横田へと下る。
 出雲横田では約15分の長時間停車。この時間を利用して駅前に唯一ある商店で昼食か夕食か分からない食事のパンを買い込む。これで再び空腹は何とかなった。木次、出雲三成と少しずつ乗客は減っていったが、この出雲横田でのこるほとんどの乗客が下車。乗客は8人となる。うち私含めて4人は旅行者で、地元客は4人であることが分かった。運転士曰くこれはかなり多い方だそうだ。出雲坂根駅 左に下っていくと木次方、右に上っていくのが備後落合方
 そしていよいよ3段式スイッチバックの出雲坂根へ。しかし駅に到着したときにはすでに日が落ち辺りは真っ暗、すぐ先に延びているはずのスイッチバック式の線路もはっきりしない。駄目元で写真を撮ってみたがこれが大成功。写真で見た方が遙かにはっきり見える。肉眼で見るよりはっきり写るとはすごい。写真左側の線路(ちょっと見づらいが)を登ってきた列車は写真右側の線路をバックで登り、再び方向転換して三井野原へとさらに登っていく。ちなみに三井野原駅は写真左上方向になり、列車はループを半周する形で写真(駅)後方を通って登っていく。そのループ線?からは国道のループ橋が遙か下に見え、すばらしい景色だった。運転手は急勾配、急カーブにもかかわらず私たち観光客のために超徐行運転&車内灯の消灯までしてくれ、更に解説までしてくれた。このほかにもこの運転士さんには出雲三成駅での買い出しのアドバイスをしていただいたりといろいろお世話になり、すばらしい運転士さんだった。乗客の忘れ物を走って届けに行かれた場面もあったし。でも運転中の車窓解説や車内灯消灯、勝手なダイヤ変更(すぐ定時に戻ったが)は規則違反なのでばれたらやばいらしいのでこれを読んだ人はあまり言いふらさないように。すばらしい景色だったのに夜になってしまって写真が撮れなかったのは非常に残念で、また訪ねてみようと思っている。
 3時間をかけてようやく備後落合に到着。ロングシートで景色を見ていたので首が疲れた。

夜のとばりの中を宿泊地三次へ

備後落合で三次行きに乗り継ぐ。しかし備後落合駅は運転士さんの言われていたとおり何もないところだった。周りにはまともな集落すら見つからない。鉄道の要所だけあって構内はかなり広いが、駅舎はぽつんとしている。本当はここから伯備線の新見へ出たいと思っていたのだが、この時間からでは新見行きの列車はなく諦めた。三次行きの列車も私の乗った列車が最終である。まだ19時なのに。この現状を見るとこれらの線がいつまで持つのか心配になってくる。
 新見からの最終列車の到着を待って発車。辺りは真っ暗で何も見えない。初めて訪れる線区での暗くなってからの乗車は景色が見えないのでしたくないのだけど、三次まで行かないとまともな宿泊施設がないので仕方がない。おそらくこの区間は木次線と併せてまた来ることになるでしょう。
 途中急行「たいしゃく」と行き違い。この列車もいつまで持つか分からないので乗っておきたかったのだが今回はうまく組み込めず断念。しかしその「たいしゃく」、備後落合終着だが果たして終着まで乗る人がどれだけいるんだろう。新見まで延長した方がいいのではないかと思う。


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