樽見鉄道セメント列車終焉

撮影日:2006年3月25日、26日

  1. 出発前夜のセメント列車
  2. 出発直前、重連ラストラン

樽見鉄道について

樽見鉄道は国鉄の赤字路線として廃止対象になった樽見線(大垣〜神海)を引き継いで開業した第3セクター鉄道です。

第3セクターになってから工事が中止されていた神海〜樽見間を延長開業させ、現在は大垣〜樽見間の営業路線となっています。

この鉄道が他の第3セクターと大きく違っていた点は貨物輸送があったことです。そのため、ディーゼル機関車を保有していて、そのディーゼル機関車を使った客車列車も運行されていました。JRですら客車列車の普通列車など絶滅状態であった中、非常に珍しい存在でした。薄墨桜のシーズンには客車列車にトロッコ風車両を連結した快速列車を運行していたりと目の離せない鉄道でした。

貨物輸送のおかげで業績も好調で、長らく黒字経営で知られていました。近年は貨物が落ち込んでいたのか赤字になってはいましたが、それでも他の第3セクターに比べてはるかに健全な状態と考えていました。しかし、かねてから噂されていたセメント輸送の廃止がとうとう現実のものとなってしまいました。

貨物の無くなった樽見鉄道が赤字経営になることは避けられないでしょう。現に客車列車が廃止され、桜シーズンは殺到する乗客に混乱したようですし、ディーゼル機関車で行っていた除雪作業が不可能になって冬季は運休が増加したようです。大垣駅のJRとの連絡線も撤去されてしまうのではないかと心配です。

貨物列車も客車列車も無くなってしまった樽見鉄道が存在感の薄い鉄道になってしまったのは事実でしょう。平行する国道の整備もほぼ完了し、このままでは廃止にむかってまっしぐらという様子で、先行きが非常に心配な状況になってしまいました。

なお、全車廃止が予定されていたらしいディーゼル機関車は、冬季の除雪を考慮てもうしばらく残るようです。

個人的には実家から比較的近くを通っていてこれまでも何度も訪れている身近な鉄道であり、これからも応援していきたいと思います。同じく身近な路線であった名鉄路面電車、谷汲線等の後を追うことのないよう頑張って欲しいと思います。

撮影情報

セメント列車は2006年3月をもって廃止となりました。3月26日(日)が重連で運転する最後の日という情報を手に入れたため、せっかく休日に走ってくれるのだからこのチャンスを逃すわけにはいかないと撮影に行ってきました。

貨物列車の行き先は向日町と西浜松とういう情報でした。


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