名鉄岐阜市内線岐阜駅前区間休止と交通社会実験

2003年11月29日撮影

2003年11月いっぱいで名鉄岐阜市内線の岐阜駅〜新岐阜間が営業休止となりました。道路工事のためという理由ですが、休止期間は2005年3月までと非常に長期間にわたっています。

岐阜市の路面電車は今廃止の瀬戸際に立たされています。岐阜市の場合、自動車が軌道敷き内を通行できるために定時運転が出来ず、ほとんどの電停には安全地帯すらない状況でしたので、11月には軌道敷き内自動車通行不可とし、主要電停には安全地帯に近い物を設ける交通実験が行われました。(交通実験は路面電車だけでなく、バスなども含めた公共交通機関を利用してもらうための大々的な物でした)

しかし、結果は道路の大渋滞を招いただけで利用客の増加はほとんど無かったらしく、こうなるともはや廃止に向けて一直線という状態になってしまうのではないかと危惧されます。

今回休止された岐阜駅前から新岐阜までの区間も、このまま復活することはないのではとささやかれています。休止期間が長いのも、今後路面電車をどうするかが決まっていない状態で線路を敷き直すことも出来ないからでしょう。岐阜駅前電停は岐阜駅の正面西寄りにありましたが、新岐阜まで行くのと感覚的には大きく違いませんし、岐阜駅まで乗り入れる列車は少なく、利用客はわずかだったようです。この区間が無くても私もそんなに不便には思いませんし、全体の利用客が減ることも無いでしょう。それが復活をより難しくしています。

こんな状況ですので、最後になってしまうかも知れない岐阜駅前の路面電車の姿を撮影に行ってきました。また、前日まで行われていた社会実験の名残で、新岐阜駅前の簡易安全地帯がまだ残っていたので、これも撮影してきました。(この安全地帯は今後も残されるのかも知れません)出かけるのが遅くて日が暮れてしまった上、天候は雨という最悪のロケーションだったのが残念でした。

それでも、岐阜駅前に再び路面電車が走る日が来ることを願っています。

岐阜駅前電停

岐阜駅前電停は岐阜市内線で唯一の安全地帯がある電停でした。終端駅で、1面1線。電停を出るとすぐに複線になります。電停をすぎて100mほど先が線路終端となっていました。

電停に行くには地下道を使います。駅前商店街と岐阜駅の旧駅舎正面を結ぶ地下道から直接電停に出ることが出来ます。

道路北側から撮影。奥にJR岐阜駅がある。左奥方向が新岐阜となる。 左写真と同じ場所から電停西側を見る。画面左中ほどの矢印標識がある場所が線路終端。
同じく道路北側から。岐阜駅は左奥の方向。左手前方向が新岐阜。 道路南側から。岐阜駅前は雑居ビルの並ぶ寂れた風景なのが残念。左奥が新岐阜。
岐阜駅前電停にあった時刻表。 電停撤去の案内。
岐阜駅前〜新岐阜間休止のお知らせ 地下道出口からのホーム全景。
ホームの端にあった「電車のりば」の標識。 ホーム端から地下道入口を見る。線路はホームを出るとすぐに複線となる。

岐阜駅前〜新岐阜 同一場所からの連続撮影

岐阜駅前を出た列車は、駅前の県道を200mほど東に進み、左に(北に)カーブして国道157号に入り、150mほど進んだところが新岐阜駅前の電停になります。カーブ地点からは両方の電停を見通す事が出来ますので、岐阜駅前電停を出発して新岐阜に到着するまでの列車を連続撮影してみました。

岐阜駅前電停に停車中の列車。 岐阜駅前を出発し、駅前の道路を進んでくる。
ここで90度カーブして北に進路を変える。(露出不足でごめんなさい) カーブを曲がる列車。この交差点には電車用信号も取り付けられていた(多分)。
新岐阜駅前を進む電車。あと50mほど進むと新岐阜駅前電停となる。新岐阜駅は道路右手にある。

簡易安全地帯が設けられた新岐阜駅前電停

新岐阜駅前電停は、実質の市内線始発駅でもあり、利用者は多い。それなのに安全地帯は無く、道の真ん中に緑に塗られた乗降エリアがあるだけだった。この道路はいつも渋滞しているので、乗降エリアでも人がいなければ平気で車が入ってくる状態で、非常に危ない状態でした。

それが今回交通社会実験で簡易安全地帯と言える物が設置されました。社会実験は撮影前日の11月28日で終了したのですが、ここの安全地帯だけはまだ撤去されていませんでした。もしかしたら今後もこのまま運用されるのではないかと期待するのですが・・・。

簡易ホームの前後には車止めが置かれ、車の進入が出来ないようになっていた。これなら安心して利用できる。手前が岐阜駅前方向。 電停北側から電停の様子を見る。左が降車ホームで右が乗車ホーム。奥が岐阜駅前方向、道路左側が新岐阜駅。

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