高千穂線未成区間 3

調査結果

田原〜河内

国道沿いにある消防層この裏の高くなっている場所が河内駅予定地だったようだ。奥が日向泊方向。 河内駅予定地を高い所から見下ろす。右奥の田んぼが予定地だったと思われる。

田原駅から先は工事は行われていないようだ。田原駅の先の田原トンネルも未着工らしい。

トンネルを抜けたところにある河内駅予定地へと向かう。線路に平行する国道325号は山道に入り、所々細い場所が残っていた。

河内の集落は谷の底という感じの場所だった。山から下りてくる国道325号の下にトンネル出口が作られ、谷の底を流れる川を渡り、再び国道325号を越えた場所に河内駅が作られる予定だったようだ。集落の南の端あたりの消防倉庫の裏手の田んぼが駅予定地だったようだ。

河内〜日向泊

国道もループ橋を使って上らなくてはならない険しい山岳地帯。 国道のループを上ったところから川内方向を見下ろす。線路は山の下をトンネルで貫く予定だった。
日向泊駅が作られる予定だったと思われる場所。向こうの山際あたりを線路が通る予定だったのだろう。 日向泊駅が作られる予定だったと思われる場所。それほど険しい谷ではなかったが民家は少ない。完全逆光でよく分からない写真になってしまった・・。

河内を出るとすぐに延長5.3Kmの河内トンネルに入る予定だった。このトンネルも着工されていないようだ。

国道は谷を選んで進んでいるが、線路は一直線にトンネルで掘り進む予定だった。このあたりは、その国道ですらループで上らなくてはならないような険しい山岳地帯であった。

ルート上には幸子、社倉といったそれなりの集落があったが、どうやら標高が高すぎるようで、線路はこの集落の下をトンネルで抜けていく予定だったようだ。

柳谷川の作る谷に突き当たったところでトンネルを抜け、そこに日向泊駅が作られる予定だった。場所はいまいちはっきりしないところがあるのだが、社倉集落を出たところでトンネルに入っている国道を右にそれる道があり、暫く山の中を進んだあと柳谷川にでた所だと思われた。その場所に行ってみたが工事は行われていないようなので当然何も残っていなかった。

集落は川の北の高森町側にあったが、駅は蘇陽町に作られる予定だったということは、川の南側に作る予定だったと思われる。駅予定地が日向泊地区だったので日向泊という駅名を予定していたのだろうが、実際の蘇陽町日向泊集落は山を挟んだ国道沿いにあるようだ。

日向泊〜高森

高森トンネル入口。中が見学可能なのだが、訪れたのが早朝だったため残念ながらまだ入れなかった。 高森トンネル上部から高森駅の作られる予定だった掘り割りを見下ろす。
高森駅予定地からトンネルを見る。中央を流れる水はトンネルから湧き出てきている。 掘り割り開始地点からトンネルを見下ろす。
掘り割りを上ったところで高森線に接続する予定だった。南阿蘇鉄道となった旧高森線の踏み切りが見える。右上写真の反対方向。

日向泊を出ると約6.5Kmの高森トンネルに入って高森駅へと抜ける計画だった。このトンネルが着工されたが途中で異常出水に見舞われて工事が継続できなくなり、全線開通が果たせなくなった大きな原因となった。

工事は高森側から2050m地点まで進んでいたらしい。これはちょうど高森峠の真下に当たる場所だと思われる。

トンネルを出てすぐの場所に高森駅が作られる予定だった。現在の高森駅は町に近い場所にあるが、これは全線開通までは町に近い場所の方が便利だからと暫定的に作られた駅のようで、高千穂延長時には新しい場所に移転することになっていた。現在の南阿蘇鉄道の路線を見ると、急カーブで町の中心部に向きを変えているのが分かるが、新路線はこのカーブ地点からまっすぐ進む予定だった。

駅予定地はトンネルに入る直前の掘り割り部分で、掘り割りの幅から2面2線程度の駅を予定していたのだろう。300mほど続く掘り割りを上ると南阿蘇鉄道の路盤に突き当たる。

トンネルからの出水は今でも続いていて、これを有効活用するため高森トンネルとトンネル手前の掘り割りは湧水公園という公園になっている。トンネル内部も見学可能であるが、私が訪れたときは早朝だったため残念ながら見学は出来なかった。


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