士幌線廃線跡調査 1

  1. 上士幌〜黒石平
  2. 黒石平〜糠平
  3. 糠平〜十勝三股

路線概要

士幌線は帯広から北上し、大雪山系に入って糠平を経て十勝三股までの路線だった。大正時代に上士幌まで開業し、その延長部分は将来的には石北本線と結ぶことも想定して工事が行われ、昭和14年に十勝三股まで開業している。大雪山を貫く鉄道というよりは十勝三股からの原木輸送を主な目的としていたようで、十勝三股以北は計画のみで建設工事等は全く行われていない。

昭和31年に糠平に糠平ダムが完成し、線路が水没するため湖畔を通るように付け替えられている。

昭和52年には糠平〜十勝三股の利用客はほとんどいなくなり、列車の運転を休止し、全国で初めてのバス代行運転となった。やがて士幌線そのものも昭和63年に全線廃止となった。

士幌線路線図

停車場一覧
駅名 読み 駅間距離(Km) 累計距離(Km) 開業年月日 廃止年月日 備考
(帯広) おびひろ - 0.0 1925-12-10 1987-03-23 根室本線の駅として現存
木野 きの 4.4 4.4
音更 おとふけ 5.6 10.0
駒場 こまば 5.6 15.6
武儀 むぎ 2.8 18.4 1956-12-25
中士幌 なかしほろ 4.1 22.5 1925-12-10
士幌 しほろ 7.6 30.1
北平和 きたへいわ 4.3 34.4 1957-12-25
上士幌 かみしほろ 4.0 38.4 1926-07-10
萩ヶ岡 はぎがおか 5.1 43.5 1935-11-26
清水谷 しみずだに 5.3 48.8
黒石平 くろいしだいら 4.8 53.6 1956-12-25
糠平 ぬかびら 6.1 59.7 1937-09-26
幌加 ほろか 11.6 71.3 1939-11-18
十勝三股 とかちみつまた 7.0 78.3

調査概要・今後調査される方への情報

2001年9月5日調査

レンタカーで上士幌から十勝三股までの区間を調査してきました。全線調査したかったのですが時間がなかったため変化に富んだ面白い区間のみの調査になってしまいました。

調査時間は上士幌から十勝三股までで4時間30分程度かけています。糠平湖周辺の橋梁等を少し詳しく探したのと、湖の水位が低いときのみ現れる幻の橋である旧線のタウシュベツ川橋梁を探したため時間がかかっています。

糠平ダム建設での線路付け替えのため、黒石平の先から糠平湖の北までの区間は2通りの線路跡があります。旧線の大部分は水没しているのですが、一部橋梁は見ることが出来ます。

黒石平までは平野部を通っているので線路跡を追いかけるのは楽です。黒石平からは険しい山岳地帯となり、線路跡は山の中に吸い込まれます。国道から一部の橋を見ることが出来ますが、近くまで行くのは困難です。熊出没注意の看板も立っている場所なので線路跡を歩いたり林道等にはいる場合は熊に対する警戒が必要です。

主要参考文献


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