この路線は1891年に九州鉄道によって建設された。小倉〜黒崎の区間は艦砲射撃を危惧する陸軍の反対で海岸線を通るのを避けて建設された。しかしその後、海岸線周りの戸畑線が開通、1907年の国有化後戸畑線が複線化されて本線に昇格し、大蔵周りの路線は支線としての扱いになってしまった。
更に、1911年に九州電気軌道(のちの西鉄北九州線、現在大部分が廃止)がほぼ大蔵線に沿って開通したことで大蔵線は大打撃を受け、同年に廃止となった。
明治時代の廃止であり、既に1世紀近くの歳月が流れているうえ、北九州市の市街地を貫いていた路線のため開発で大部分が跡形もなくなってはいるが、それでもところどころに遺物や痕跡が残されている。
なお、国鉄時代は鹿児島本線の支線扱いで、独立した線名は付けられていなかったようだ。
駅名 | 読み | 駅間距離(Km) | 累計距離(Km) | 開業年月日 | 廃止年月日 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
(小倉) | こくら | - | 0.0 | 1891-04-01 | 1911-10-01 | 鹿児島本線接続 |
大蔵 | おおくら | |||||
(黒崎) | くろさき | 11.4 | 鹿児島本線接続 |
早朝からレンタカーで調査してきました。大蔵峠を越える路線だったためアップダウンが多いかと思っていたのですが、思ったほどではありませんでした。それでも自転車などでの調査は坂に苦しめられるかも知れません。全区間が市街地なので車での調査は駐車場所を探すのに苦労しました。早朝の車の少ない時間帯から調査を始めたのですが、黒崎あたりでは通勤ラッシュに巻き込まれてしまい、まともに調査できませんでした。
距離は10Km程度なので徒歩でも調査は可能でしょう。かつてはほぼ並行して西鉄北九州線(路面電車)が走っていたのですが、こちらもこのあたりの区間は既に廃止されています。この廃線跡調査も同時に行うのも面白いと思います。(私は時間がなかったのでやりませんでした。路面電車なので痕跡は少ないと思います。)