喜多方から北に向かい、熱塩までの僅か11.6Kmを結んでいたローカル線。熱塩が大きな町というわけでもなく、これだけ見ると何のために造られた路線なのか疑問に思うが、今市から現在の野岩鉄道、会津鉄道を経由して会津若松までの線路と合わせて、奥羽本線米沢までの内陸縦貫路線を造る壮大な計画の一部分であったと知ると、その見方も変わってくる。
山脈を貫くこのような路線が本当に実現可能だったのか疑問に思って地図を見ると、米沢は意外と近く、熱塩から山を1つ越えれば米沢盆地にでることができることが分かる。もう少し国鉄の資金とやる気があれば米沢まで全通していた可能性は高そうである。
しかし、国鉄の財政悪化や時代の変化によってこの計画は凍結されてしまったようで、そうなってしまっては単独では大赤字のこの路線が特定地方交通線に指定されるのは必然で、第一次特定地方交通線として昭和59年に廃止となった。
駅名 | 読み | 駅間距離(Km) | 累計距離(Km) | 開業年月日 | 廃止年月日 | 備考 |
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喜多方 | (きたかた) | 0.0 | 1938-08-18 | 1984-04-01 | 磐越西線接続 | |
会津村松 | あいづむらまつ | 2.9 | 2.9 | 1938-08-18 | 1984-04-01 | |
上三宮 | かみさんみや | 2.1 | 5.0 | 1938-08-18 | 1984-04-01 | |
会津加納 | あいづかのう | 3.2 | 8.2 | 1938-08-18 | 1984-04-01 | |
熱塩 | あつしお | 3.4 | 11.6 | 1938-08-18 | 1984-04-01 |
喜多方から熱塩に向けて車で調査してきた。喜多方からしばらくはサイクリングロードとなっているが、平行して道路があるので車で辿るのも比較的容易。その先は道路になっていたり、まさに道路化工事が行われているところであった。道路の交通量は少なく調査は比較的楽だった。熱塩付近のみ線路跡が道路から見えなくなる。
調査にかかった時間は3時間程度である。