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七尾線とは北陸本線に接続する津幡から、七尾、和倉温泉を経て輪島までの路線であったが、和倉温泉から輪島までの区間は1991年9月1日よりのと鉄道により運行されていた。しかし、通常の第3セクター路線のようにのと鉄道に譲渡されたわけではなく、線路の所有はJR西日本のままで、運行をのと鉄道が行うという珍しい形態となっていた。
のと鉄道となってからも金沢への直通急行が運転されるなど七尾線として一体感のある運行がされていて魅力ある路線であったが、末端区間の穴水〜輪島間(通称輪島線とも呼ばれていたようだ)は2001年3月限りで廃止になってしまった。能登線よりも乗客数が多かったという話も聞いたのだが、のと鉄道としては能登線と七尾線末端区間の両方を維持するだけの体力がなかったのか、はたまた線路がJRのものであったためにJRの意向で廃止になってしまったのか。
この区間は国鉄の簡易線規格という非常に低い規格で建設されたという記事をどこかで読んだ記憶がある。それほど長編成の列車は入線できなかったようだし、もともと重要な路線という位置づけではなかったらしい。
輪島までの間に途中駅は2駅。このうち能登三井駅は廃止の少し前まで交換設備があったが、廃止直前に訪れた際には信号機が横向きにされてポイントも撤去されていた。輪島駅も廃止前に訪れた際には棒線となっていたのでこの区間に1列車しか入れない状況となっていた。
七尾線へのJRからの直通急行「能登路」は、輪島行きと珠洲行きがあったが、この廃止と共に輪島行きは消滅、程なくして珠洲行きも消滅し、能登線自体も2006年3月限りで廃止が決定した。道路網の整備や能登空港の開港によって鉄道利用者が激減してしまったのだろうが、陸の孤島といっても良い奥能登へのアクセスがますます不便になってしまう気がして寂しい思いである。
駅名 | 読み | 駅間距離(Km) | 累計距離(Km) | 起点距離(Km) | 開業年月日 | 廃止年月日 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
穴水 | あなみず | - | 0.0 | 87.5 | 1932-8-27 | 2001-4-1 | 能登線に接続 |
能登三井 | のとみい | 11.0 | 11.0 | 98.5 | 1935-7-30 | ||
能登市ノ瀬 | のといちのせ | 5.0 | 16.0 | 103.5 | 1935-7-30 | ||
輪島 | わじま | 4.4 | 20.4 | 107.9 | 1935-7-30 |
浜松からマイカーで調査に行ってきた。穴水駅についたのが13時頃で、そのまま普通に調査すれば日没までに全線調査できたのでしょうが、途中のと空港によって飛行機を眺めていたために時間が無くなってしまい、翌日に能登市ノ瀬付近から輪島までの調査を行うことになってしまった。
平行道路は穴水から能登三井の手前の三井町市ノ坂までの山越え区間は地方道となる。道幅は県道から分かれてすこしの区間はやや狭いが、すれ違いは十分可能である。少し進むと2車線になるが、調査した日は交通量は皆無。1台の車にも出会わなかった。道幅は十分広いのだが、道は落ち葉などで埋もれていて人によっては走行を躊躇するであろう状況であった。
三井町市ノ坂から輪島までは県道沿いです。見所である能登三井駅付近、三井町から熊野町へ抜けるトンネル部分、能登市ノ瀬駅付近では、県道は道路付け替えでトンネルや町はずれを通っているが、線路に沿って旧道が残っていて十分な道幅があるので車を止めるのも容易で非常に調査がやりやすい。
能登三井から先は県道沿いなのでバスもあると思うが、能登三井までの山越え区間のバスはないであろう。県道は交通量が多いが基本的に田舎であり、脇道にそれれば車を止める場所には苦労しなかった。この路線は車での調査が楽でよいと思う。
容易に進入できそうな場所にあるトンネルは封鎖されていたし、橋梁は外されているので路盤上を歩くのは困難である。