中津川線未成線調査

  1. 中津川〜美濃落合〜神坂
  2. 神坂〜昼神〜阿智〜伊那山本
  3. 伊那山本〜伊那中村
  4. 伊那中村〜飯田線分岐点
  5. 伊那山本〜二ツ山トンネル(2008年再調査)

路線概要

中央本線の中津川駅から飯田線飯田駅を結ぶ路線として計画され、鉄道建設公団B線(地方幹線)として建設が行われた路線。単線電化の計画だった。恵那山を貫く13Kmを超える長大トンネルが計画されていて、トンネル内には2箇所の信号場が設けられる予定だったらしい。しかしこのトンネルは先進導坑の工事に着手しただけで工事が凍結されてしまった。

トンネルの中津川側は神坂駅予定地とトンネルの工事現場が残っているらしいがまだ未調査。飯田側は一部区間で路盤工事が行われ、伊那山本駅から二つ山トンネルを抜け、伊那中村駅までの間は路盤が完成。トンネルも貫通している。伊那中村から飯田線との合流点である切石駅付近までも一部で用地が確保されていたようだ。

全般的に建設凍結時の工事進捗率は高くはなく、特に恵那山を貫くトンネルがほとんど掘られていなかった状態では第3セクターなどとして開業させるには厳しかったのだろう。全国で建設凍結された公団新線の中では比較的将来有望な路線であったと思うのだが、建設が再開されることはなかった。

トンネル内に2箇所の信号場が予定されていたことから、単線ではあるが列車本数はかなり多く見積もられていたようだ。おそらく、ほとんどの駅が交換可能駅として作られる予定だったのだろう。

現在名古屋から飯田や伊那市までは高速バスがかなりの本数走っている。この区間の移動は鉄道では非常に遠回りなのでほとんどの人が高速バスを利用していると思う。一般道での移動も遠回りであり、実質この区間の移動手段は中央高速1本である。中津川線が完成していれば名古屋から飯田行きの快速列車などが運転されていたと思われ、それなりに利用者は見込めたのではないかと思う。ただ、特急を走らせるには名古屋からの距離が微妙なので利益が出る路線にはならなかったであろうとも思う。

中津川線路線図

中津川〜神坂 神坂〜伊那山本 伊那山本〜伊那中村 伊那中村〜飯田線分岐点
停車場一覧
駅名 読み 駅間距離(Km) 累計距離(Km) 備考
中津川 なかつがわ - 0.0
美濃落合 みのおちあい 2.940 2.940
神坂 みさか 4.160 7.100
富士見台 ふじみだい 5.280 12.380
夜烏山 5.600 17.980 Niftyの未来鉄道データベースでは夜烏となっている
昼神 ひるがみ 4.330 22.310
阿智 あち 3.330 25.640
伊那山本 いなやまもと 2.475 28.115
伊那中村 いななかむら 3.225 31.370
(飯田線分岐点) - 4.805 36.175 距離怪しい
飯田 いいだ 37.8 距離怪しい

「鉄道未成線を歩く」には上記のような距離になっているが、伊那中村から分岐点までの距離が地図で計るより長すぎる。飯田駅までの距離が36.175Kmである可能性が高い気がする。

調査概要・今後調査される方への情報

2004年8月19日調査

浜松からドライブがてら行ってきたのですが、阿智から伊那山本の辺りと飯田線と分岐する予定だった切石駅を調査して日没になってしまいました。

2004年11月6日調査

再び浜松から車で出撃。飯田IC付近の明らかに線路予定地だったと思われる道路を見た後、伊那山本から二つ山のトンネル入り口までの路盤を歩いて日没により終了。

2006年11月4日調査

車で昼神駅予定地と神坂駅予定地を調査。神坂駅予定地は日没で詳細な調査が出来なかったのでまた出直すことした。

2007年3月10日調査

車で神坂駅予定地の再調査と中央線からの分岐地点と予想した場所の調査。

2008年4月20日調査

三遠南信道飯田山本インター及びそれに伴う国道バイパスの建設で伊那山本駅付近の様子が大きく変わったため再調査してきました。

主要参考文献


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