名寄本線の興部から北上して天北線の浜頓別を結ぶ計画だった興浜線は、南北から建設が進められ、興浜南線が雄武まで、興浜北線が北見枝幸まで伸びてきていた。しかし、その間の区間は戦争などによって建設が中断されたまま長い間放置されていた。
昭和41年になってようやく鉄道建設公団によって建設が再開されたが、ほどなく国鉄の赤字によって興浜南線、北線共に廃止の方針が決まり、工事凍結となってしまった。
オホーツク海縦貫路線の一部となる予定だった路線だが、もともとオホーツク海にそった移動自体の需要が少なく、全通させる意義があまりなかったのであろう。たとえ全通しても、稚内から根室までの直通列車などの需要は確かになさそうである。
未成区間である雄武から北見枝幸の間には、両端部を除いて11の駅が予定されていたようだ。このうち交換設備が計画されていたのは北見音標のみ。雄武から北見音標までは路盤が100%完成していて、ここまでの区間開業も計画されていたが完成が一歩遅すぎたようで、一度も列車が走ることがないまま廃止となってしまった。
駅名 | 読み | 駅間距離(Km) | 累計距離(Km) | 開業年月日 | 廃止年月日 | 備考 |
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雄武 | おむ | - | 0 | 未成 | 未成 | ここまで興浜南線として開業 |
元稲府 | もといねっぷ | 2.9 | 2.9 | |||
北見音稲府 | きたみおといねっぷ | 4.1 | 7.0 | |||
北見幌内 | きたみほろない | 3.4 | 10.4 | |||
枝枝幸 | えだえさし | 2.3 | 12.7 | |||
北見音標 | きたみおとしべ | 5.8 | 18.5 | |||
風烈布 | ふうれっぷ | 5.8 | 24.4 | |||
乙忠部 | おっちゅうべ | 5.3 | ||||
北見山臼 | きたみやまうす | 5.1 | ||||
徳志別 | とくしべつ | 3.9 | ||||
岡島 | 3.6 | |||||
南枝幸(信号場) | みなみえさし | 6.1 | 美幸線分岐(未成) | |||
北見枝幸 | きたみえさし | 3.0 | ここから先興浜北線として開業 |
レンタカーで名寄本線全線と興浜南線、興浜線未成区間を併せて調査してきた。調査に要した時間は丸3日。
そのうち興浜南線と興浜線未成区間の調査に要したのは7時間程度。雄武の駅跡は道の駅になっていて、その前後の路盤も街中にもかかわらず残っている。