根北線廃線跡調査 2

調査結果

2000年8月29日

斜里〜以久科
斜里駅 手前のホームが根北線ホームだったと思われる 斜里駅跨線橋から越川方向を見る。現在ある線路の左に根北線の線路があったらしい。
斜里〜以久科間 国道脇(写真手前のあたり)を通っていたはずだがさっぱり分からない。遠くに見える山は斜里岳と思われる。 以久科駅跡。中央の2つの長細い建物が鉄道官舎らしい。隣に小さな駅舎があったはずだが確認できなかった。

斜里を出るとすぐに釧網本線は南に90度近く向きを変えるが、根北線は45度ほど向きを変え、南東の方向に進む。

国道244号に沿ってしばらく進む。国道の脇を線路が通っていたようなのだがそのあとはさっぱり分からなかった。

しばらく進むと国道が東に向きを変えるが、線路はそのまま南東へと進んでいた。国道と分かれてすぐの所に以久科駅があったはずである。駅跡はどうやら今は畑の真ん中になってしまったようだ。「鉄道廃線跡を歩く」には駅舎の写真が載っているのだが、駅舎を確認することは出来なかった。しかし鉄道官舎ははっきりと確認することが出来た。

以久科〜越川
道路脇に植えられている木の切れ目が斜めにそろう場所を発見。これが線路跡と思われる。

以久科からは国道と離れる。道路は碁盤の目のように東西へほぼ等間隔できれいに延びているが、線路はその対角線方向をややはずれるような感じで道路とは関係なく進んでいたらしい。

その道路を線路跡と思われるところを探しながらジグザグに進む。舗装されていない道路も多かったが車で通るのに支障があるほどではなかった。道路脇には防雪林と思われる木が植えてあるのだが、その木の切れ目が斜めにそろう場所を発見。どうやらこれが根北線の跡と思って良さそうだ。このほかには畑の中にそれらしい跡を見つけることは出来なかった。

線路跡を探して畑の中の道をジグザグ走行している内に日が沈んでしまい、あたりが暗くなってきてしまった。なんとしても最終目的である第一幾品川橋梁に行きたかったのでこのあたりで線路跡を離れまっすぐ橋梁に向かうことにする。

越川の駅は線路が国道を横断して東側にうつり、山際に取り付くあたりにあったらしいが、国道から遠目に見ただけでは何も分からなかった。

越川〜
第一幾品川橋梁 標津方向 第一幾品川橋梁 越川方向 その1
第一幾品川橋梁 越川方向 その2 暗闇に橋梁のシルエット
橋梁の説明書きがあった 橋脚に文化庁の登録有形文化財の標識が

開業区間は越川までだったが、この先も少し工事が行われていて、越川から少し進んだところに国道と幾品川を渡るコンクリート製の巨大アーチ橋が残されている。第一幾品川橋梁(通称越川橋梁)という。この橋は戦時中に造られたため鉄をいっさい使わない設計でコンクリート橋では北海道最大らしい。

実際に見てみるとその規模の大きさに圧倒された。国道と川を跨ぐためだけにしては高さがありすぎるように思うので、ここから峠越えに向けて高度を稼ぐ計画だったのだろうと思える。

10連のアーチ橋だったが国道の拡幅工事の際に国道をまたいでいる部分は取り壊されてしまったらしい。文化庁の登録有形文化財として保存されているらしく、さらに取り壊されるということはないようだ。風化して少しずつ崩れているようで、橋脚周りにはコンクリート片が数多く落ちていて、実際に橋脚の周りは立入禁止となっていた。また、この橋梁はまだ未完成で、道路を跨いだところでとぎれてしまっていた。

全景写真を撮りたかったのだが、「鉄道廃線跡を歩く」などにのっている写真のアングルでは木が生い茂っていて撮ることができなかった。良い写真を撮るには春先か秋頃に訪れる必要があるようだ。暗くなってしまって良い写真は撮れなかったが、あと10数分も遅ければあたりは真っ暗になってしまうところで、まさにぎりぎりのタイミングだった。

ここから先も一部工事が行われたらしいのだが、確認することは出来ないらしいし、ルートも本にも載っていないのでここで引き返した。


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