今福線廃線跡調査 6

調査結果

金城町今福地区〜旭町(新線)
金城カントリークラブの中央を貫く道にかかる歩道橋。鉄道橋を改良したにしては貧弱か? 旭町小場田地区の山中。この谷を通る予定だったのかも知れない。
右上写真反対側。この先が旭町中心部。

今福から先は一旦工事が行われていない部分を通り、この先は旭町丸原地区にトンネルと橋梁があるとのことだったが、一応予定されていたであろうルートを推測してみる。

この先は現金城カントリークラブの中を通り、山をぶち抜いて旭町丸原に抜ける予定だったはずである。金城カントリークラブの真ん中を貫く道路には両側のゴルフ場を結ぶ歩道橋が2箇所架けられていた。これが鉄道予定線の跡を利用して作られたとは考えられないだろうか?(おそらく違う気がする・・)

平行する道がないので再び県道を迂回して旭町に入る。丸原地区に2つのトンネルと3つの橋梁が残っているらしいのでこれを探したのだが、すでに暗くなってしまっていて山際の建造物を識別するのは困難だったのでこの日はここであきらめることにした。

次の日、朝早く再び現場に行ってみたが今度はみぞれである。昨日は雨だったがみぞれでは更に条件が悪い。かなり激しく降っていて遠くがよく分からない。丸原地区の道幅は狭い上に急勾配の連続で運転は大変で、奥の方は舗装されていない道もあり、先を急ぎたかったこともあり捜索を断念した。

この先は緩やかな右カーブで南南東に方向を変え、旭町の中心部をかすめて徳田地区へ抜ける長大トンネルに入る予定だったらしい。何か予定地だったことを示す痕跡がないかと思って山中の道へ入ってみたがはっきりしたものはなかった。上記写真の谷の部分を通る予定だったのではないかと推測したのだが果たしてどうだろう?

旭町〜三段峡
金城町波佐地区。開通していたらこの写真の中に路盤が写っていたはずである。 三段峡駅駅前でで雪を被る蒸気機関車を発見。
蒸気機関車には可部線利用促進運動の横断幕が。 三段峡駅駅舎。(4月2日撮影)
三段峡駅で行き止まりになっている線路。この先すぐにトンネルとなって浜田へと続く予定だった。(4月2日撮影) 三段峡駅に停車中のディーゼルカー。(4月2日撮影)

旭町の先は長大トンネルの連続となる予定だった。

旭町を出ると南南東に向きを変えて金城町徳田地区を通り、更に金城町波佐地区に至る。ここから南西に向きを変えて県境をトンネルで貫いて広島県芸北町から南南西に再び向きを変えて芸北町橋山を通りほぼまっすぐに三段峡へと至る予定だったらしい。

この区間は予定されていただけで工事は全く行われていないようだが、とりあえず予定線にできるだけ沿って車で走ってみることにする。平行する道路がない部分も多いが、とりあえず駅が予定されていた集落をたどっていく。

ところが、徳田に通じる県道114号にはいると早朝のみぞれが雪に変わり、しかもどんどん積もり出す。ノーマルタイヤだったのでこれ以上進むのはまずいかとも思ったが、徳田を抜けて国道186号まで行けば後は何とかなるだろうと思い慎重に先に進む。

国道に出ても状況はあまり良くはならず、峠越えの国道だったので大変だったが超スローペースで何とか三段峡までたどり着くことができた。しかし周りの景色を見ていられるような状況ではなかった。

可部線はこのすぐ後に乗ってきたが、末端区間は廃止候補になっていて強力な利用促進運動が行われているようで、2両編成となるなどかなりの利用客があった。加計〜三段峡は公団によって建設された高規格路線で、トンネルと鉄橋でかなり高い場所を通っている。路線名は違うが、戦後の新線ではここだけが完成して使われていると言えるのだが、ここも廃止になってしまう可能性は高い。


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